"那珂川 穴窯で作陶続く"
那珂川町小砂(こいさご)の窯元「松並陶苑」の穴窯で、今月13日に火入れをしてから、
火を止める23日までアカマツのまきをくべ続ける作陶が続いている。
古来の方法で焼いた陶器の窯出しは12月7日を予定しており、
主人の岡稔さん(66)らは息の長い作業に精を出している。
山あいの傾斜を利用して1995年に岡さんが築いた、中世の古窯と言われる穴窯は
幅約2メートル、奥行き約6メートル、高さ約1メートルのかまぼこ形。
近代の登り窯の内部にあるような仕切りはなく、煙突状の内部を火が真っすぐ通り抜ける仕組みだ。
釉薬(ゆうやく)を一切かけず、飛び散って付着した灰と粘土の成分との融合でできあがる
「偶然の産物」が楽しみという。
穴窯の作陶は春と秋の年2回。10〜20日間、24時間体制で燃やし続けるため、
協力者が必要だ。今回は延べ約50人が支え、計10トンに及ぶまきをくべる。
火入れから8日目の20日午後8時半。内部温度を1150度前後に保つため、
窯守がまきを入れ続けていた。窯守をしていた協力者、笹沼享一さん(63)は
「毎回、手伝っている。今日は岡さんがお風呂に入る時間帯に来た」と話した。
作品は壺(つぼ)を中心に約40点。岡さんは「古い信楽焼のような作品を目指している。
原始的なやり方で作った自然の美は素晴らしい」と焼き上がりを楽しみにしている。
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20131121-109071-1-L.jpg 2013年11月22日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20131121-OYT8T01376.htm