"環境問題 みんなで考えよう 作新学院 小中高校生クラブ設立"
宇都宮市の作新学院で二十八日、児童生徒が身近な環境問題を見つけ、
仲間と協力して解決策を考える「地球環境クラブ」が設立された。
小中学部や高校英進部などの約三百七十人が参加し、放課後などを利用して
ごみ問題や地球温暖化といった自らのテーマに沿って科学実験やボランティアに取り組む。
環境問題に向き合う人材の育成が狙いだ。
作新学院は数年前から、科学を学ぶ「ガリレオ」、ボランティアをする「テレサ」、
海外の学校と交流する「コロンブス」の三チームで環境教育を実施。
これまでの活動は教員主導だったが、温暖化による気候変動など
将来の課題に直面する子どもたちに、今から自ら解決する姿勢を育んでもらおうと、
生徒主導に切り替え、一つにまとめた。
この日は設立総会があり、小学生から高校生の代表が関心のあるテーマを発表。
高校英進部二年の山本佳奈さんは、東京電力福島第一原発事故で発生した
「指定廃棄物」について報告した。いったん最終処分場の候補地となり、
反対運動が今も続く矢板市を例に「国内の全原発を止めても放射性廃棄物の処分問題は残るので、
みんなで考え続けていこう」と呼び掛けた。
足尾銅山鉱毒事件を調べた英進部二年の岩崎達也さんは、原因企業の
古河鉱業(現古河機械金属)への取材内容を報告。
同社が現在も、坑道のわき水の浄化を続けていることを挙げ、
「環境問題は人が生きている限り、永続的に取り組まなければ」と訴えた。
会の設立に合わせ、東日本大震災で使えなくなり、高校情報科学部の生徒が
移動式に改修した地上用貯水槽「アースくんZ(ゼット)」(高さ約二・五メートル)も
校内の「聴蛙(ちょうあ)館」わきに登場した。屋上にあった貯水槽だけに大量の雨水を貯蔵でき、
今後は足尾銅山跡周辺に植樹しているコナラの苗への水やりに使われる。
2013年9月29日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20130929/CK2013092902000141.html