"「ピラミッドアジサイ」で町おこし"
富士川町の小室(こむろ)、高下(たかおり)地区の農家らが育てた夏から秋に開花する「ピラミッドアジサイ」が、
今夏に初めて花を咲かせた。特産化を目指して昨秋から栽培を始め、来年には切り花や鉢花として商品化する計画だ。
地元には約2万株のアジサイが境内に咲くことで有名な妙法寺があり、ピラミッドアジサイも加え、
参拝客の呼び込みも狙っているという。
富士川町300本 栽培は、両地区の農家らがつくる「日出づる里活性化組合」の事業。
特産はユズやその加工品だが、収入の幅を広げようと、組合員約10人で約8アールの畑に苗を300本植えた。
一般的に知られるアジサイの見頃は6〜7月で、小さな花が球状にまとまって咲くが、ピラミッドアジサイの花は7〜11月、
花全体が白く円すい状に咲き、その後、徐々に淡い紅や緑色に変わるという。
昨秋に植えた時に高さ15センチほどだった苗は、7月には約60センチに育ち、ピラミッド形にまとまった花が
枝の先端に咲いた。
細川勝男組合長(72)は「今年は試験栽培。日焼けや枝が倒れるのを防ぐため、日よけや添え木を立てないと」と商品化に熱意を注ぐ。
小室地区の妙法寺には、毎年、本堂を取り囲むように咲くアジサイを一目見ようと多くの人が訪れる。
細川さんら地元の住民が協力して草刈りや剪定(せんてい)をしている。
ピラミッドアジサイの花は、他のアジサイが咲き終わった頃から秋の終わりまで楽しめるため、参拝客の増加が期待できる。
寺の筆頭総代で、アジサイの手入れをする井上和夫さん(65)は
「ピラミッドアジサイで私たちの『あじさい寺』をもっと有名にしたい。リピーターも喜んでくれるはず」と期待している。
県総合農業技術センターによると、開花時期が長く、暑さや乾燥に強いピラミッドアジサイは近年、切り花や鉢花の需要が高まっている。
県内でも今年1月、花卉(かき)農家らが研究会を発足させ、栽培に取り組んでいるという。
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20130830-466283-1-L.jpg 2013年8月31日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20130830-OYT8T01304.htm