犬とスズメがたわむれる。普通はまずありえない。この“珍しすぎる組み合わせ”、一体なぜ実現したのか。
愛しそうな眼差しをスズメに注いでいるのは、メスの犬の「モモ」(9歳)。心を開いているかのように、スズメも
足の間に入り込み、すっかりリラックスした様子だ。そもそも、この1匹と1羽の人生が交わったきっかけとは…
「ワンワンワンって言って、自分で走って行ったんですよ。それで、ここまで私も後をついてきて。ここでワンワン
って吠えていたんです」(「モモ」の飼い主、山下育夫さん(66))
5年前の秋、いつになく吠えるモモの後を追った山下さんが見つけたのは、1羽のスズメ。羽が傷ついた状態だった
という。
飛べるようにならないため、県に相談し、保護することにした山下さん。当初はモモが危害を加えはしないかと
心配していたのだが…
「こう、ぱくっと咥えるんじゃないかと心配してましたけど、ところが実際、口で真似事をするだけ」(山下さん)
意気投合したのだろうか、意外にもいい遊び相手になったのだという。さらに…
「(Q)先回りしてますね。これ、道路から外に行かないように?」
「まあ、そんなこともないと思うんですけど、でもそんな風に見えますよね」(山下さん)
スズメが危ない目に遭わないよう、見守る姿はまるで母親だ。種の壁をも超えたこの親愛の情、一体どういうこと
なのだろうか。
「犬がすごく鼻を使ってにおいを嗅いでいて、目でもしっかり見ていて。純粋に興味を持っているんだと思います。
犬は(スズメの)チュンチュンというような音とか、ああいったものに対して興味を持ちやすい。小さい頃に、
お母さんのお乳を吸っていた時の音とかに似ているので。スズメのことを舐めているっていう話がありましたので、
そういった親愛が行動に出ていると考えられます」(動物行動心理学を専門とする須ア大氏)
人間で言えば、モモはおよそ60歳。一方のスズメも推定5歳と、野生での平均寿命を大きく超えている。
「いつまでもこういうふうに続いてくれればいいなと思いますよね。でも、お互いにもう年ですからね…」(山下さん)
厳しい自然がもたらした偶然の出会いとはいえ、この光景が少しでも長く続くことを、周囲は願っている。
ソース(ANNニュース) ※動画ニュースから手打ち
http://www.youtube.com/watch?v=eu7DO8dmjVo