【福岡】「『抱え大筒ここにあり』と、力強い演武を見せたい」…福岡の「八重の桜」ここにあり!「抱え大筒」女性家元・尾上さんの奮闘

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1生徒もろきみ!φ ★
 幕末の動乱期、洋式銃で勇ましく戦う主人公を描くNHK大河ドラマ「八重の桜」が放送中だが、現代の福岡にも、山本八重に
負けじと奮闘する「女性砲術家」がいる。銃より一回り大きな「抱え大筒(おおづつ)」を扱う尾上城由江(きよえ)さん(43)
=福岡市博多区千代。福岡藩に伝わる古武術「陽流抱え大筒」の家元だ。10日には、兵庫県姫路市である「日本古武道演武
大会」で、古武術34団体のトリを務める。「砲術が注目されるいい機会。『抱え大筒ここにあり』と、力強い演武を見せたい」と
意気込む。

 「ズドーン」。すさまじいごう音とともに、白煙と少し焦げ臭い火薬のにおいが漂った。木々に止まる鳥が一斉に飛び立ち、
見学者は首をすくめる。空砲とはいえ、思わず息をのむ迫力。昨年12月、南区の興宗禅寺で行われた「福岡義士祭」。尾上さん
の砲術道場「練砲館(れんぽうかん)」は、古式ゆかしい武術を披露。はかま姿で頭に鉢巻き、「胸革(むながわ)」という防具を
身に着けた尾上さんらに観衆から大きな拍手が送られた。

 陽流で使う大筒は、通常の火縄銃よりも口径、重量ともに大きく、両腕で抱え持つ。現在残る大筒は、50匁(もんめ)筒
(重さ約18キロ)と100匁筒(同約28キロ)の2門。発射で受ける衝撃は強く、砲身を離さないように、さらしで左腕と結び付ける。

 尾上さんが初めて公の場で大筒を発射したのは20歳のころ。「ごう音と観衆のどよめきに興奮した」と振り返る。幼いころから、
県の無形文化財保持者だった父・城祐(じょうすけ)さん(故人)に従い旗持ちとして演武に参加。射技の手ほどきを受けてきた。

 その城祐さんが2004年に亡くなった。毎年参加する義士祭の3日前。演武と葬儀の準備に追われる中、一人っ子だった
尾上さんは「やるしかない」と跡を継ぐ覚悟を固めたという。

 現在一門は10人。ほとんどが先代からの門弟で、高齢化が進む。射技を披露する場も年々減り、今は、義士祭と5月に
筥崎宮(東区)である「さつき大祭」の2回にとどまる。それでも、尾上さんは「長く続いてきた『抱え大筒』を、次の世代にしっかり
伝え残したい」と誓っている。

ソース(西日本新聞) http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/347445
写真=「長く続いてきた武術を、次の世代に残したい」と話す尾上城由江さん
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20130209/201302090006_000.jpg
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