豊橋市は8日、同市小島町の二川漁港海岸で消波ブロックを移設する環境整備工事を行った。08(平成20)年度から始めた
アカウミガメの上陸、産卵に配慮した事業で、3月までに計2380個の消波ブロックの移設を終える予定だ。
既存の消波ブロックは、同市が同海岸の浸食を防ごうと73(昭和48)年〜90(平成2)年までの期間に設置工事を実施。
同海岸は地引き網漁が盛んなため、漁業ができるスペースを確保した位置に消波ブロックを設置していた。04(同16)年に
数多くの台風が上陸。砂浜が減少、消波ブロックが露出したことで、絶滅危惧類であるアカウミガメの産卵が阻害された
事例が確認された。
同市は環境団体や漁業関係者などと勉強会を重ねて、06(同18)年〜07(同19)年に消波ブロックの一部を仮撤去。
アカウミガメの産卵や砂浜の浸食状況を確認し、国からの認可を得た。工事費用の3分の1を補助金として受け、08年度から
移設工事を始めている。
工事は消波ブロックを既存の設置場所から平均して約53メートル後ろに移設。昨年度までに2010個の消波ブロックを移設し、
本年度は370個を移設させて工事を完了させる。
既存の施設を移設して環境保全を図る工事は全国でもまれなケース。同市は撤去地帯を調査し、アカウミガメの上陸や
産卵数が増加していることを確認。来年度以降も実態調査を重ね、砂浜の海浜植物への影響や砂浜の浸食状況も同時に
調べていく。
同市産業部農地整備課の村松一成専門員は「安全で環境に優しい海岸再生の足がかりになる」と市民の声が届いた
公共工事の影響を語る。
ソース(東日新聞)
http://www.tonichi.net/news/index.php?id=26674 写真
http://www.tonichi.net/data/img/news/news/2013/01/news0_50ec268699c4b.jpg