トイレにアートを 大分市が活性化作戦
[2012年12月19日 14:40]
街なかを訪れた人が毎日必ず利用する空間を、おしゃれなアートの場に―。大分市は来年度から、
中心市街地にある店舗や公共施設のトイレを絵画や装飾で彩るアート化作戦に取り組む。市の複合
文化交流施設「ホルトホール大分」や県立美術館の建設に伴い、アートが街なか活性化の“鍵”の
一つとして注目される中、ユニークな切り口で街の魅力アップを後押しする考えだ。
主なターゲットは中心街にある飲食店。絵画を描いたシートをトイレの壁に張り付けたり、鏡の縁に
装飾を施すといった取り組みに対し、一定の補助金を出す。市美術館やコンパルホールなど利用者
の多い場所は「トイレの一等地」と位置付けて作品を公募し、優秀作を展示する計画だ。
構想は、市が職員からまちづくりのアイデアを募る「アントレプレナーシップ事業」から生まれた。
立案者は国保年金課職員の久保真知子さん(30)。「トイレは中心街にたくさんあり、誰もが目に
する場所。清潔なうえ、魅力的であれば女性客にも歓迎され、街なかのにぎわいづくりにつながると
考えた」という。
トイレにちなんだシンポジウムや公募展を3年に1回開くアートフェスタの開催、インターネット上
での作品紹介、写真集の発行なども提案しており、市は補助制度を含め具体的な内容を調整している。
市によると、トイレのアート化には現在、まちづくり会社「大分まちなか倶楽部」の紹介で50以上の
店舗が協力の意向を示しているという。目標は3年間で150カ所。久保さんは「日本のどこを探しても
ない、独自の取り組みとして大分市の魅力アップにつなげたい」と話している。
安心の大分合同新聞
http://www.oita-press.co.jp/localNews/2012_135589575527.html 「街なかのトイレをおしゃれなアート空間に」と提案した久保真知子さん。左の自作イラストは装飾を
施した便器のふた
http://www.oita-press.co.jp/mobile/data/local_news/2012/12/2012_135589575029.jpg