“世界一の朝食”として世界中の雑誌に取り上げられ、ハリウッドで活躍する俳優などの著名人を顧客に持つことでも知られるレストラン
「bills(ビルズ)」。日本への初上陸から約4年、ビルズのフラッグシップショップともいえる「ビルズ 表参道」が東急プラザ 表参道原宿の7階に
オープンした。開店を機にオーストラリアから来日を果たした創業者のビル・グレンジャーさん(42)は「表参道に店を持つことは20年前からの夢
でした。どんな世代の人にも愛される店でありたい」と話す。
ビルズは1993年にシドニーでスタートしたレストランで、日本に初めて上陸したのは2008年。神奈川・七里ケ浜店のオープンを皮切りに、
横浜、東京のお台場に次いで今回が国内4店舗目となった。
人気の秘密は、オーガニック食材で作るシンプルな料理にある。象徴的な一品は、リコッタチーズを織り込んだふわふわで優しい口当たりの
「リコッタパンケーキ w/フレッシュバナナ、ハニーコームバター」だ。上に乗ったハニーコームバターは、栄養が詰まったハニーコーム(ミツロウを分けて
いないハチミツ)とバターを混ぜ合わせたもの。シドニーで開業して以来、レシピを変えていない“ビルズクラシック”と呼ばれるメニューだという。
「作るなら“健康的なパンケーキ”でありたいと考えていました。リコッタチーズなら栄養素が高い一方、脂質は控えめ。ハニーコームを使っている
のも栄養価の高い食材だからです」
もう一品、ビルズを初めて訪れる人が必ず頼むと言っても過言ではないのが「オーガニックスクランブルエッグ w/トースト」。シンプルな味付けの
トロトロとしたスクランブルエッグで、ベーコンなどと一緒に食べると卵の味わいがより引き立つ。こちらもビルズクラシックと呼ばれる伝説メニューだ。
■快適空間で健康的なもの
学生時代から自分の店を持つことが夢だったというビルさん、なぜ「朝食」にこだわったのだろうか。「実は朝食をメーンに据えた裏には、ある“幸運な
偶然”があったんです」
ビルさんによれば、卒業後間もなくしてシドニー郊外にレストランの開業を計画。しかし、気に入った立地のテナントはどれも賃貸料が高く、
ためた開業資金ではなかなか決断ができなかったという。「特に夜間にも営業できる物件は賃貸料も高いので、簡単には手が出せませんでした。
仕方なく、早朝から夕方までしか店を開けられない少し安いテナントを借りる代わりに、『世界一の朝食を作るんだ!』と決めたのです」
オーガニックにこだわった料理は“オーガニック先進国”とされるオーストラリア国内でも当時は珍しく、ビルズは雑誌などを通じてじわじわと浸透。
その後、撮影のために長期滞在した俳優のレオナルド・ディカプリオがパンケーキを食べるために連日通ったことが報道されるなど、ビルズの名は
海を越えて世界中に広まった。
しかしビルさんにとって、学生時代に約半年間にわたって留学した「日本」に対する思い入れは特に強いのだとか。中でも、スタイリッシュな
ファッションビルが立ち並ぶ表参道は、留学時代に何度も散歩した憧れの街だった。「ビルズ 表参道」は、そんなビルさんの思いがもっとも詰まった
店舗なのだ。
「快適な空間で健康的なものが食べられるレストランを…、それがスタートの時からずっと抱いていた気持ちです。広い窓から表参道の美しい自然
が見えるこの店は、僕の理想の店そのもの。ソファでゆったりとくつろぎながら、最高の朝食を召し上がってください」
ソース(MSN産経ニュース、SANKEI EXPRESS)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120614/trd12061416350011-n1.htm 写真=優しい甘さの「リコッタパンケーキ_w/フレッシュバナナ、ハニーコームバター」は、これまでのパンケーキの常識を覆す食感だ
http://sankei.jp.msn.com/images/news/120614/trd12061416350011-p1.jpg 写真=「表参道にお店を持つことは、学生時代からの夢でした」と話す、創業者のビル・グレンジャーさん
http://sankei.jp.msn.com/images/news/120614/trd12061416350011-p2.jpg