東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市の伝統行事「うごく七夕」の復興を支援しようと、熊本市の市民グループが祭りの
山車を製作した。現地への寄贈を前に、グループは2日、華やかに飾り付けた山車で同市中心部のアーケードを練り歩くイベントを
行い、一足早く県民に披露した。
「うごく七夕」は、陸前高田市内を山車12台が巡行して華やかさと勇壮さを競う、江戸時代から続く夏祭り。毎年8月7日に
行われ、多くの観光客でにぎわっていたが、震災による津波で多くの関係者が犠牲になり、山車9台が流出。祭りの存続が
危ぶまれている。
昨年4月、熊本市の経済団体やまちづくりグループの関係者が被災地を訪れた際、祭りの復興を願う住民の思いを知り、
熊本で山車を作り寄贈することを発案。有志で「祭りくまもと東北応援隊&うごく七夕支援準備委員会」(浜島巌会長)を発足し、
今年3月には建築家や大工らを製作メンバーとして迎えた。
山車は、けやきとひのきで骨格(高さ6メートル、幅4メートル、奥行き5メートル)を作り、長さ5メートルの竹ひごにピンクや水色の
和紙をあしらった飾り約千本を取り付けた。材料調達、飾り付けとも自前で、手作りの山車が完成した。
この日、今井冽(れつ)・県太鼓連盟副会長ら10人の奏者が山車に乗り込み、ボランティア約15人が山車を引いて新市街から
下通のアーケードを練り歩いた。本場と同じ笛と太鼓のはやしが響く中、華やかな山車がゆっくり巡行すると、アーケードの市民から
拍手や歓声が上がり、山車の巡行に一緒に参加する人もいた。
準備委員会事務局の帆足(ほあし)秀樹さん(62)は「被災地のことをみんな忘れず、今も応援している。そんなメッセージを
熊本から伝えたい」と話した。山車は今後、福岡県大川市と東京、大阪でも披露され、7月末に陸前高田市に引き渡される。
ソース(西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/305737 写真=岩手県陸前高田市に寄贈する山車を引くボランティアたち
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/kumamoto/20120603/201206030001_000.jpg