◇ファザーリング・ジャパン九州:育児パパ増やしたい 絵本ライブなどでPR /福岡
育児を楽しむ父親を増やしたい−−。そう願い活動を続けている任意団体
「ファザーリング・ジャパン九州」(FJQ、福岡市)の絵本ライブをのぞいてみた。
発足して半年がたち、「読み聞かせもうまくなりました」とメンバー。臨場感
たっぷりの“イクメン”ライブに、子どもたちの笑みがはじけた。
10月24日、福岡市早良区で絵本の読み聞かせなどをしている「おやこぼっこ」で
開かれた絵本ライブ。小津智一さん(38)らFJQの3人はいつの間にかエプロン姿に
変身し、持ち込んだ絵本約20冊を空のギターケースに並べた。あいにくの雨にもかかわらず
続々と集まってくる子どもたち。「小学生以下が多いよね」「分かりやすい本がいいかも」。
「仕事をして稼ぐだけがパパではありません」。小津さんのあいさつで絵本ライブが始まった。
声色を変えながら子どもたちの突っ込みにもアドリブで応えるパパ軍団。子どもたちの目は
絵本にくぎ付けとなり、笑い声がライブを盛り上げる。3人が交代で計6冊を読み終えて
最後の1冊。ストーリーに沿った歌をギターの生伴奏付きで披露し、全員参加の
大合唱で約50分のライブが幕を閉じた。
5歳と3歳の娘2人と参加した渋田明美さん(37)=福岡市早良区=は
「絵本のセレクトもパパならではで楽しかった。家でもパパに読んでもらおうね」と
娘たちとにっこり。主催した「おやこぼっこ」の高木美穂子さん(52)は「体力面や
精神面で女性ではフォローできない子育てがあり、夫婦でかかわるのがやっぱり理想。
こういうお父さんが増えてほしい」と話した。
◇メンバーは8人、職種もさまざま
FJQはNPO法人「ファザーリング・ジャパン」(東京都)の九州メンバーで今年4月に発足。
絵本ライブやセミナーなどで父親の育児参加をPRするとともに、「笑っている父親を増やそう」と
父親支援を展開する。現在のメンバーは30、40代の8人。職種は会社員から自営業、
薬剤師とさまざまだ。父親同士が意見交換するメーリングリスト「九州パパSネットワーク」も
開設しており、会員は約30人まで増えた。
「だいぶ知名度も増してきました」と語る小津さんには幼い時に両親が離婚し、
母一人に育てられた原体験がある。「家事一つしなかった父は反面教師。
さらに、共働きしている夫婦が増える今の時代は『家事と育児は女性』だった
昔とは違うんです」。それが小津さんの原動力だ。
「仕事でなかなか早く帰れない。育児したいけどできない環境がある」。
父親同士のつながりが広がる中で、メールリングリストには悩みもつづられる。
「早めに会社に行くなど自分で時間をつくる方法もある」と応じた小津さん。
「パパたちはパパたちでつながりをほしがっている。父親が安心して
育児参加できる環境をつくっていきたい」。FJQの活動が本格化する。
ソース(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20101105ddlk40100481000c.html