◇さくら市の中高生映画/等身大の一編
さくら市の中高生らが県内在住の映画監督のアドバイスを受けて
自主制作した映画が完成し、今月末に上映会が開かれることに
なった。脚本や監督、役者も中高生だけでこなして完成させた
作品は、進路に悩む中学生同士の友情を等身大に描いている。
完成した作品は「ホントのキモチ」。約15分の短編だ。同市の
氏家公民館が7、8月に開講した市民講座「国際派監督に
学ぶ青少年のための映画づくり講座」に参加した同市内の
中高生ら12人が約2カ月かけて制作した。主演女優は
中学生。脚本はさくら清修高の生徒と専門学校生による共作だ。
監督としてメガホンを取ったのは、さくら清修高1年の花塚伯周(
はく・しゅう)くん(15)。同校の放送同好会のメンバー7人とともに
教諭の勧めで参加したという。「進路で葛藤(かっ・とう)する中学生が
、友だちからヒントを得て道を決める映画。日常の出来事を通じて、
考えさせる映画になった」と話す。
7月に撮影した素材を8、9月に編集。不慣れな作業にとまどいながらも
完成にこぎつけた。脚本や現場でアドバイスをしたのは、那須烏山市
在住の映画監督、益子昌一さんだ。益子さんが監督を務めた寺尾
聡さん主演の「さまよう刃」は昨年、カナダのモントリオール映画祭に
出品されている。5月に公民館からの協力要請を受けて「若い人に、
映画の世界に入るチャンスを感じてほしい」と快諾した。
映画を作り上げた体験を通じて、携わった若者たちにも変化が生まれたという。
脚本を担当した同校1年の屋代涼帆(すず・ほ)さん(16)は、登場人物の
セリフや動きを考えたことで、友人と話しているときやドラマを見ているときに「
この人はどんな気持ちなのか」と常に考えるようになったという。「次は監督を
やりたい」と話す屋代さんは、将来は大学で心理学を学ぶのが夢だ。
花塚くんも「相手の細かいしぐさや表情が気になるようになった」と話す。
「皆が一緒にやってくれるなら、もう一本撮りたいな」
上映会は31日正午から、さくら市喜連川の市喜連川公民館のホールで開かれる。
ソース(朝日新聞)
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