◇パソコンとケータイが、“新米ママ”を救う
一昨年、子どもを出産しました。今まで赤ちゃんをまともに扱ったことがなかった
自分が、突如、生後間もないふわふわの子どもと24時間向き合うことになりました。
言うまでもなくかわいいのですが、それだけでは済まされないのが子育て。迷うことや
悩むことの連続で、最初の3カ月間はなかなか過酷な日々でした。自分が母になって
初めて、“母の偉大さ”がようやく身にしみたわけです。
そんな毎日の中、私を助けてくれたのが、パソコンと携帯電話でした。仕事で
毎日フル活用していた2つのツールが、子育てでも活躍するとは意外な発見でした。
周囲の人の手助けはもちろんですが、それに加えてパソコンと携帯電話があったから、
大変な毎日を明るく乗り切れた、と言っても過言ではありません。
◆孤独な新米ママたちをつなぐ
携帯電話がもたらしてくれたものの一つが、同じ病院で出産したママたちとのつながりです。
出産という大仕事を同じ時期に体験し、慣れない子育てに足を踏み出したばかりの者同士。
入院中から自ずと仲良くなり、退院時にはお互い携帯電話の番号とメールアドレスを交換して
別れました。
退院は、新米ママにとっては不安な日々のスタートです。これまで頼りにしていた
助産師さんはいないし、自分の子とほかの子を比べることもできません。私も、
毎晩1時間おきに泣く我が子を抱きながら、もしかしたらどこか痛いのではないか、
苦しいのではないかと、不安を抑えられずにいました。
そんなある日、一人のママからこんなメールが届きました。「夜、子どもが泣き続けて
全然寝てくれない。私も寝不足続きで、夜が来るのが怖いくらい」 ――。「私も同じ。
昨日も1時間おきに起こされたよ。一緒に頑張ろうね」と即座に返信を書きながら、
同じ境遇の仲間と話せることのありがたさを痛感しました。
ほかのママからは、「生後0カ月から使えるおしゃぶりがあるから、それを試してみたら。
うちの子には効果があったよ」という有力情報が寄せられました。私も早速使ってみたところ、
効果絶大。夜、安眠できる時間がわずかながら増えたのです。その結果、精神的にも
かなり余裕ができました。
顔に湿疹が広がった、ミルクを吐いた、体重がなかなか増えない――。小さな事件が起こるたび、
私たちの間にはメールが飛び交いました。生まれたばかりの子どもを抱えて外出もままならない中、
携帯電話で励まし合い、情報を交換して、慣れない日々を乗り切ったのです。
◆赤外線通信機能が大活躍
携帯電話といえば、今まで触ったこともなかった機能の便利さも発見しました。携帯電話を
向かい合わせるだけでアドレス交換ができる、赤外線通信機能です。例えば子育てサロンのような
場所で知り合いになったママと、連絡先を交換する場合。子どもを抱っこした上におむつなどの
荷物をたくさん抱えた状態では、メモとペンを出してアドレスを書いて……は大変なのです。
赤外線通信機能があれば、片手だけでアドレス交換が完了。なるほどこんなときに便利なのか!
と目から鱗が落ちる思いでした。
パソコンも、大いに役に立ちました。不安に思うことを検索してみると、たいてい、同じような内容の相談が
Q&Aサイトなどで見つかります。多くは「心配しなくていい」という回答が書き込まれていて、ずいぶん心が
楽になります。調べすぎて深刻な内容の情報にたどり着いてしまい、余計に不安になることがあるのが
玉にきずなのですが。
パソコンや携帯電話がなかったら、私の育児はもっと大変なものになっていたでしょう。私の場合は、
夫や両親の協力を得られたので幸運でしたが、そうでなければどれほど孤独だったことか。
想像するのが怖いほどです。
子育てをしながら仕事をする今の生活でも、パソコンや携帯電話は必需品です。パソコンとネットさえあれば
自宅にいても仕事ができるし、携帯電話で随時メールを読めるし。会う機会が減ったママ友たちとも、
携帯メールで連絡を取り合っています。出産を機に、パソコンユーザーとしてのレベルが
一段上がったような気がする今日この頃です。
ソース(日経PC)
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100525/1025090/