廃校になった山あいの中学校の木造校舎が、子どもたちの遊び場になった。NPO法人「あそびの学校」
代表の山崎茂さん(58)は9年前、それまで26年間勤めた埼玉県の富士見市役所を早期退職。
約3000万円をはたいて旧鬼石町の校舎を買い取り、「三波川ふるさと児童館」を開いた。
「昔、子どもの黄金時代があった。遊びが子どもを成長させる。自由な遊び場所をつくってみたかった」
児童館勤務の経験はあったが、見ず知らずの土地だけに苦労が続いた。「どこにもないユニークな
児童館をつくりたい」という熱意に加え、出来栄えが良いと光沢を放つ泥だんご遊びが評判となり、
全国から講師に招かれるまでになった。
3年前には藤岡市が所有する市中心部の古民家を無償で借り受け、2番目の拠点「ALWAYSあそびの学校」
を開設。木造校舎は夏のキャンプ場となり、普段は古民家が子どもたちの居場所だ。山崎さんらは
泥だんごやコマ、けん玉などを教える。庭の木の上には自由に出入りできる基地もある。子どもだけでなく、
地域のお年寄りは歌声広場として活用している。
国の基金を活用し、あそびの職人養成所も開講。3人の職人見習生がアシスタントを担う。
塚本雅俊さん(25)は「遊びも真剣にやらないと、子どもたちの気持ちはつかめない」と話す。
「元気だった昭和のころのように、子どもたちの遊びを通して地域づくりのお手伝いもしていきたい」。
山崎さんは、地域社会も支えようとしている。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news2/03/20100411-OYT1T00146.htm 読売新聞(
http://www.yomiuri.co.jp/index.htm)2010年4月12日