改修のため5月末まで休館している兵庫県の明石市立天文科学館(人丸町)が県内各地で
行っている「移動式プラネタリウム」の出張投影会が人気となっている。これまで明石市内だけで
上映してきたが、「改修で生まれ変わる天文科学館のPRにつながる」と休館を機に活動範囲を
拡大、小中学校や高校だけでなく福祉施設や病院からも引き合いがあった。「固定式にも劣ら
ない迫力」と評判は上々という。
移動式プラネタリウムは直径6メートル、高さ4メートルの布製のドーム型で、空気を送り込んで
膨らませ、中に入って星空を観賞する。2007年11月に導入した。一度に収容できるのは
子どもで約50人だが、映し出す星は数十万個で、同館学芸員の解説とともに20〜50分の
本格的な天体観察ができる。
昨年11月末に県内各地への出張投影がスタートすると、案内を受け取った小中学校や高校の
理科教員らの間で人気が口コミで上昇。出張は、淡路島や但馬地域なども含めて月に約10回
に達し、2月末までで3000人以上が星空を観賞した。
1月中旬には、神戸市内の病院で小児科の患者やがん患者らを対象に投影会を開催。
車いすやベッドのままで星空を見られ、「ひとときの安らぎを感じられた」などと好評だったという。
同館の井上毅学芸員(41)は「学校や病院など日常の空間で、星空が見られる〈非日常性〉が
受けているのでは」と分析。3月上旬に投影会があった県立三田祥雲館高校(三田市)の
谷川智康教諭(47)は、「本物のプラネタリウムに比べて間近に見えるので、ドームの天井に映し
出された星空に手が届きそうだった」と話している。
20日午後2時からは、明石市大久保町の市立産業交流センターで一般向け投影(要予約)も
行われる。その後は、同館の再オープンの準備に取りかかるため出張投影は休みになる。
同館は「人気が高く、改修が終われば活用法をまた検討したい」としている。
◎画像:人気を呼んでいるドーム型の移動式プラネタリウム。
http://osaka.yomiuri.co.jp/photo/20100315-109891-1-N.jpg ◎ソース:YOMIURI ONLINE
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100315-OYO1T00453.htm?from=top