散歩中にさまざまなボールを拾い集める特技を持った飼い犬が、京都市伏見区横大路の無職、水谷勉さん(79)
宅にいる。その数、約10年間で約4千個。同じ特技を持っていた先代の犬が寿命を迎えたのとほぼ同時に誕生し、
血はつながらないながらも同じ道を歩んできた。現在17歳と、人間で言えば80歳を超える長寿の秘訣(ひけつ)は
この趣味と運動のようだ。
「ポン太」(雑種、雌)が生まれたのは1992年11月15日。その3日前に、水谷さん宅で飼われていた「五郎」が
息を引き取っていた。五郎は散歩の度に、自宅近くの桂川河川敷にある府羽束師運動公園周辺で持ち主の
ないボールを集めるのが日課になっており、9年間の生涯に約5千個を収集。たまったボールは、希望する学校や
少年野球チームなどにプレゼントした。
水谷さんが知人から引き取ったポン太は、同じように散歩中の球拾いに目覚め、川沿いの草の生い茂る所など、
人の手の届かない場所にある軟式野球やゴルフのボールを集めるようになった。水谷さんは「五郎は水が苦手
だったが、ポン太は呼べば川を泳いで横断して来るほど水が好き。サッカーボールも首で支えながら集めるほど
勢いもよかった」と振り返る。
公園では行き交う人や子どもたちの人気者だったが、5年ほど前にボール拾いは引退。階段を踏み外して後ろ足を
傷めたこともあって、今は自宅で静かにしている時間が多い。しかし、水谷さん宅にはポン太の「戦利品」が、野菜を
入れるプラスチックケースに整理されずらりと並んでいる。
水谷さんは「もし(ボールを)必要な人があれば、引き取って役立ててほしい」と話している。
◎画像:これまでに集めた「戦利品」のボールを眺めるポン太。
http://www.kyoto-np.co.jp/static/2010/02/23/P20100223000043.jpg ◎ソース:京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100223000043&genre=K1&area=K1I