◇リッチな空間、女心くすぐる
高級感あふれる空間で心ゆくまで商品選び――。行き届いたサービスとゴージャスな演出で、
消費者の“買いたい気持ち”に火をつける不況知らずの売り場がある。
気分はヒロイン
色とりどりの衣装約200着が並ぶ西宮阪急のドレスコーナー「TADASHI」。西日本一の品ぞろえを誇る売り場は、
壁や床の建材にもこだわった豪華なつくり。広々とした試着室には、昼間と夕刻の光を体験できるライティングが
備えられ、付き添いの人が座る上質なイスの前には、高さ2メートル、幅1メートルの大鏡がしつらえられている。
ロングドレスを身にまとい、気恥ずかしそうに試着室から出てきた女性は、
大鏡に映る自身の姿に目を見張り、「あら、意外と似合っているかしら」。
髪をアップにするなど店員からアドバイスを受けるうち、次第に胸を張り、まるで魔法にかかったように、
次々と10万円前後のドレスを買い求めていく人もいる。
オープン当初は、近くの兵庫県立芸術文化センターに出演するプロを念頭に置いたコーナーだったが、
口コミで利用客層が広がり、趣味や習いごとの発表会用にと、いまや主婦らが約7割を占める。
「試着後のお買い上げ率も極めて高い売り場」と、樋口店長も驚くほどだ。
私だけの試着室
インターナショナルブティックの一角に応接間のような個室「エクセレントルーム」(予約制)を設けたのは大丸心斎橋店。
高級家具を配した12畳ほどの空間で、ファッション&イメージコンサルタントの小野玲子さんから90分間無料で
アドバイスが受けられるとあって、週2回の予約はほぼいっぱい。肌に合ったカラー診断などをもとに、ブランドの
垣根を越えて持ち込んだ商品をゆったり試着できる。店員も同席しないので、購入せずに帰ってもかまわない。
毎月、利用しているという神戸市北区の小畑さんは「お薦めの数着を用意して待っていてくれるので、
優雅にお茶を飲みながら洋服選びを楽しめる至福の時間。新しい自分を発見できるのも喜び」と話す。
これまで小畑さんが購入した100着以上の洋服をすべて頭に入れているという小野さんは
「プロの目でその人の魅力を最大限に引き出す大人の遊び場。店内のすべての商品から
自由にコーディネートできる幅の広さも大きな強み」と、百貨店ならではの品ぞろえに
支えられていることのメリットを強調する。(一部省略)
ソース(読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/depa/de100204a.htm ▽夫が見守る中、店員のアドバイスを受けながら大鏡の前でポーズをとる女性
http://osaka.yomiuri.co.jp/depa/img/de100204a.jpg ▽エクセレントルームで、小野さん(右)から色の組み合わせなどアドバイスを受けながら洋服選びをする客
http://osaka.yomiuri.co.jp/depa/img/de100204b.jpg