◇節分の恋物語がイラストマップに 京都精華大と市民共作
まもなく節分。鬼に豆をまく由来にもなったと伝えられる京都・貴船(きぶね)の
恋物語を知っていますか? 京都精華大(京都市左京区)の
真下美弥子(ましもみやこ)教授(国文学)が市民とともに物語ゆかりの地を歩き、
イラストマップを作った。年中行事も背景を知れば一層味わい深い。
物語は室町時代の写本などで残る中世の説話「貴船の本地(ほんじ)」。
都の貴公子「さだひらの中将」と、鞍馬(くらま)の山奥にすむ鬼の美しい娘
「こんつ女(にょ)」が命がけの恋におち、最後に結ばれるストーリーだ。
物語の後半で、2人の仲に激怒した鬼の襲撃を防ぐため、
人々が深泥池(みどろがいけ)にあった鬼の穴に豆をまいた、と語られる。
京では、貴船神社にまつわる由来として長く伝承されてきた。
マップ作りのきっかけは左京区が実施した「大学と地域の相互交流促進事業」。
昨秋から真下教授が呼びかけ、市民十数人と点在する物語の舞台を訪ね歩いた。
「鬼の国」の入り口に当たるとされる僧正ケ谷は貴船と鞍馬の間。山深い谷で
今も立ち入る人は少ない。参加した山崎千恵子さん(60)は「物語が自分の
日常と地続きの世界として実感できた」と話す。マップは漫画家の一色碧さんが
絵を添え、2人が出会う鞍馬寺や平安京から、鬼と戦う深泥池まで、絵と文でたどる。
「物語は史実とは違うが、日本人のこころを理解するには重要。多くの伝承が
健在な京都だから、こうしたフィールドワークも可能になる」と真下教授。
マップは大学ホームページに公開予定。送料80円負担で送付も可能。(以下省略)
ソース(朝日新聞)
http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201001300043.html ▽「貴船の本地」物語のイラストマップ
http://www2.asahi.com/kansai/sumai/news/image/OSK201001300046.jpg ▽京都精華大
http://www.kyoto-seika.ac.jp/index.php