薬物・アルコール依存者への支援を行う特定非営利活動法人(NPO法人)「栃木ダルク」(宇都宮市、栗坪千明代表)は、
今月3日、那珂川町谷田に農産物直売所をオープンした。
来春には、野菜作りや稲作を行う活動拠点「栃木ダルクファーム(仮称)」を直売所のそばに開設し、
農作業を通じて依存者の社会復帰を目指す。
「ネギはそろえて切るときれいに見えるよ」「野菜はお客さんから見やすいように並べて」
農産物直売所がオープンした今月3日、農家の人から指導を受けながら、栃木ダルクの入寮者らは自ら育てた野菜を収穫し、
土をきれいに落として店頭に並べた。近所の主婦らが買い物に訪れ、にぎやかな雰囲気に包まれた。
栃木ダルクは、寮での集団生活を通じて、薬物を断つ施設と社会復帰を目指す施設を、それぞれ那須町と宇都宮市で運営し、
現在は約40人が入所している。
入寮者らはこれまで、料理やスポーツをしたり、ボランティアを行ったりして回復を目指してきた。
これらに加え、農作業を取り入れたのは、那珂川町谷田の農家星一明さん(45)が、栃木ダルクの活動を知り、
野菜などを提供したことがきっかけだ。
不況のため入寮者の就職先もなかなか決まらないなか、「野菜を作って、農作業を身に着けてみたらどうか」と星さんが提案した。
ダルクの入寮者6人が今年5月から、週に2日、星さんの農園に来て、苗植えや肥料やり、稲刈りなどの作業をした。
栗坪代表(41)は「続かないのではないか」と心配したが、入寮者らが次の作業日を楽しみにしている様子を見て、
農作業による自立支援効果を実感したという。
採れた野菜は星さんの観光ブドウ園などで販売していたが、シーズンオフになったため、新たに農産物直売所をオープンさせた。
来春からは農園の近くに宿泊施設を設け、星さんから畑と水田を借りて、ファームを開設する。
さらに、高齢化が進む近隣の農家で田植えや稲刈りなどを手伝う人材派遣なども予定する。
栗坪代表は、「薬物・アルコール依存者は、対人関係が苦手な場合が多いが、農作業を通して、
ゆるやかに人付き合いができるのがいい」と話している。
ファーム開設準備を担当する入寮者の夢川義和さん(41)は「作物がどんどん育つのを見て感動した。今までは塗装などの
単純作業のアルバイトが多く続かなかったが、農業は次々とやることがあって飽きない。もっと勉強したい」と意気込んでいる。
農産物直売所は、毎週水曜と第3日曜の午前10時から。
問い合わせは星さん(連絡先ソース参照)か、栃木ダルク(連絡先ソース参照)へ。
▽ソース:読売新聞(2009年11月08日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20091108-OYT8T00016.htm ▽画像:
農家の人に教わりながら、直売所に並べる野菜を切る栃木ダルクの入寮者(3日、那珂川町谷田で)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20091108-840375-1-L.jpg ▽依頼あり
http://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/femnewsplus/1257484778/49