マンガ家の楳図かずおさんの作品と浮世絵がコラボレートした展覧会「楳図かずお×
現代浮世絵版画展」が、サブカルチャー文化を発信するギャラリー「下北沢GAoh!
(ガオ)」(東京都世田谷区)の開館記念展として20日、開催される。9月27日まで。
楳図さんの代表作「まことちゃん」などのキャラクターを、浮世絵に合うようアレンジし、
東州斎写楽や葛飾北斎らの浮世絵1200点以上を復刻している工房「アダチ版画研究所」
が、山桜の版木を使い、毛彫りやぼかし、雲母(きら)刷りなど伝統的な技法で、いくつもの
刷りを重ねて浮世絵に仕上げた。
銀の雲母(きら)刷りの背景に、まことちゃんが大きく口を開け、ぐわしのポーズする
「ぐわし大首絵 雲母摺乃圖」や、北斎の「富嶽三十六景」の「赤富士」をモチーフにした
「赤富士とまことちゃんなのら〜乃圖」、恐ろしい「へび女」に少女が追いかけられる
「サツキ へび女におひかけられる乃圖」の3点が展示・販売される。
楳図マンガ独特の陰影、構図と木版画の伝統的な制作技術の融合が見もので、
ジャポニズム(欧州における日本趣味)と日本のマンガを研究する小山ブリジット武蔵大学
教授は「江戸の錦絵と現代のマンガの結晶」と評している。このほか、各方面で活躍する
アーティストによるシルクスクリーンと銅版画作品の展示、フィギュア情報誌「フィギュア王」
(ワールドフォトプレス)による楳図さんの写真展が同時開催される。
20日に開館する下北沢GAoh!は「美エンタ」(東京都世田谷区)が運営。「コミック&
イラストレーション&サブカルチャー」をキーワードに、ギャラリーだけでなく、幅広い表現
活動のためのスペースとして活用していくという。今後は大手ゲーム会社クリエイターの
作品展が予定されている。島田栄次代表は「アートの敷居を低くし、下北沢らしい
クリエーティブのライブハウスにしていきたい」と話している。
【松村果奈】
毎日jp(毎日新聞) 09/08/19
http://mainichi.jp/enta/mantan/graph/manga/20090819/ ▽画像
展示される「ぐわし大首絵 雲母摺乃圖」
http://mainichi.jp/enta/mantan/graph/manga/20090819/3.jpg 「赤富士とまことちゃんなのら〜乃圖」
http://mainichi.jp/enta/mantan/graph/manga/20090819/4.jpg ▼関連サイト
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