「タックルで外国選手倒す」
四国でただ一人、女子ラグビー日本代表を目指す強化選手のユースメンバーに
選ばれている高知大付属中3年山崎梢さん(14)(高知市薊野東町)が、今月27日から
8月3日までの8日間、全国から集まった日本代表を目指す同年代の女子ラガーとともに、
カナダ・バンクーバーへ遠征に行くことが決まった。日本女子ラグビーフットボール連盟が
2年ごとに全国の女子ユースに希望者を募って実施する海外遠征で、今回は中学1年〜
高校2年の女子約20人が参加。ラグビー関係者宅にホームステイしながら、同年代の
女子ラガーと、練習や試合をする。梢さんは「言葉や体格のいい外国人に挑めるか
不安だけど、とにかくうれしい。レベルアップして帰ってきたい」と意気込む。(田水綾)
梢さんは、ラガーマンの父・浩司さん(41)の影響で、小学3年生の時に「高知少年
ラグビースクール」に入ってラグビーをはじめた。現在は、週末に浩司さんが所属する
地元のラグビークラブで、男性に交じって練習に励む一方、月1回、大阪府東大阪市の
近鉄花園ラグビー場に通い、女子ユースの練習に参加しているが、関西のメンバーに比べ、
十分な練習が出来ないのが悩みの種だ。
カナダ遠征の話が持ちかけられた時、梢さんは参加したいと思った反面、
「ついて行けるか」という不安も強かったが、浩司さんから「せっかくのチャンス。
机上の勉強より学ぶことがたくさんあるはず」と背中を押された。
梢さん親子の決意に、県ラグビーフットボール協会関係者や所属していた
ラグビースクールのメンバーが遠征費の一部を支援してくれた。梢さんは「多くの人が
支えてくれるから頑張れる。タックルで体の大きな外国選手を倒したい」と力を込めた。
梢さんは、高校でもラグビーを続け、日本で唯一、女子ラグビー部がある
日本体育大学への進学を夢見る。だから浩司さんとともに、女性でも〈マネジャー〉など
ではなく、〈選手〉として扱ってくれる高校を探しているが、県内にはラグビー部のある
高校自体が少なく、男子部員と同じ練習をするのは、体力的にも精神的にもハードルは
高い。
「でも」と梢さん。「ラグビーは激しい分、試合終了の笛が鳴った瞬間、敵も味方もなく
仲間になれる」と、楕円(だえん)球を追いかける魅力を強調する。
YOMIURI ONLINE(読売新聞) 09/07/17
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kochi/news/20090717-OYT8T01027.htm