2007年3月末で廃線となった宮城県栗原市の第三セクター・くりはら田園鉄道(くりでん)の
若柳駅で6月27日、市民有志がボランティアで保存車両の車内清掃に取り組んだ。
7月に市内でくりでんをメーンテーマとした鉄道史学会のシンポジウムがあり、研究者たちが
若柳駅を見学する。美しい姿を見てもらおうと、計6両の窓ふきや掃き掃除に取り組んだ。
くりでんの元社員や、廃線前に保存運動に携わっていた市民グループのメンバーらが、
市内外から約30人集まった。ぞうきんやほうきを手にして、くりでんの思い出を語り合いながら、
ほこり落としに汗を流した。シートを外し、たまっていたごみを拾ったりもした。
清掃活動を主催した栗原市金成の電気工事業千葉弘悦さん(43)は「久々に車両の中に
入れたことをみんなで喜びながら作業した。鉄道史学会はくりでんが残した資産の貴重さを
主張しており、市民としても保存を支援したい」と語った。
若柳駅では同日、東北大大学院の永井康雄准教授(建築史学)が学生と、機関車庫などの
図面作製に取り組んだ。
永井准教授は「若柳駅は本屋(駅舎)や機関車庫など大正期の鉄道施設の主要な建物が
一体となって残っており、とても貴重」と述べた。また、市民の清掃活動を見て「保存には
市民の力が欠かせない。地域の文化財に地元住民が関心を持つのは大切なこと」と語った。
鉄道史学会のシンポジウムは4日、栗原市志波姫のエポカ21で開かれ、永井准教授らが講演。
午後1時半からで、一般市民にも公開する。入場無料。研究者らの若柳駅見学は翌5日。
2009年07月01日水曜日
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2009/20090630027jd.jpg くりでん保存車両の車内で清掃作業に汗を流す参加者。大人も子どもも力を合わせた
ソース:河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/07/20090701t15005.htm