因州和紙を生かした灯(あか)りの魅力をアピールしようと、ランプシェードなどを手がける
県内の木工や押し花の作家ら9人が今春、「鳥取アカリスト協会」を結成し、20日から
鳥取市青谷町山根のあおや和紙工房で初めての展示会を開いている。会員らが共作した
高さ3メートルのドームなど、和紙を通した柔らかな光で空間を包む大型作品が目玉。
今後は会員が学校や公民館などで和紙照明の作り方を教える出前講座も開き、
ファンを増やしていこうと張り切っている。展示会は7月12日まで。
同工房では和紙の灯り展が毎年開かれているが、出展者の顔ぶれが固まってきたため、
制作者のすそ野を広げようと、大山町の家具作家山ノ内さん(53)が音頭をとって協会を結成。
記念の企画展には、地元の製紙業者が提供した和紙を使った作品約20点を並べた。
大型作品は、竹の骨で組んだドームと、入り口は高さ約3メートル、幅約5メートルと
広いが、奥に行くほど狭くなるトンネルの2点。組み合わされており、トンネルの中を進むと、
ぽっかりと広いドームの中に出る趣向。魚を誘い込む定置網をイメージしたという。
いずれも、外部の光源から和紙越しの柔らかな光が中に差し込み、来場者は
「空間全体を和紙で包むアイデアがすごい」と感心しながら、心地よさそうにいすに座っていた。
このほか、イチョウの枝を支柱にし、中に光源を入れたテント状の照明や、押し花を
ちりばめたランプシェードなどが展示されている。
協会代表に就いた山ノ内さんは「和紙は照明用素材として大きな可能性を持つ。
出前講座などを通じて独特の優しい光の魅力を知ってもらい、プロ・アマ問わずに
制作者仲間を増やしたい」と話している。
読売新聞:
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tottori/news/20090622-OYT8T01170.htm 画像:和紙のドームの中で柔らかな光を楽しむ来館者
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20090622-384063-1-L.jpg