小中学校の毎日の給食を、インターネットで公開するサービスが好評だ。「子どもが学校で何を食べているか
知りたい」という保護者の声に応えて志木市のサイト運営会社が始めた。同市をはじめ、さいたま、朝霞、
新座の計4市の小中学校や給食センターなどが参加しており、その輪はさらに広がりつつある。
◇小中学校・給食センター/口コミの評判、県外にも
「牛乳はこっちに置いて……」。5月下旬、朝霞市溝沼の溝沼学校給食センターで、栄養士の田熊清香さん
(29)が、できあがったばかりの給食をデジタルカメラに収めていた。この日の献立は肉じゃが、焼き魚、
わかめのいため煮。撮った写真は昼過ぎには、原材料名やカロリーなどとともに、ホームページ(HP)
「はなまる給食」に載る。田熊さんは「調理員が心を込めて作った給食。多くの人に見てもらうのは楽しみですね」。
同市内の5中学校、1小学校に給食を提供するこのセンターは今春、地元の情報を集めたサイト「元気埼玉」
を運営する松山まゆ美さん(59)に声をかけられた。「保護者の期待に応えるいい企画」。協力を快諾した。
栄養士2人が毎日、交代で撮った写真を松山さんにメールすると、サイト内のカレンダー上に画像が公開される
仕組み。保護者や他校の栄養士にも「子どもと食べ物の話をする時間が増えた」「献立作りの参考になる」と好評だ。
元気埼玉が給食の公開サービスを始めたのは、昨年12月。さいたま市内の7小学校を対象に、地元ケーブル
テレビと協同でHP「給食バンザイ」を立ち上げた。松山さんは「地産地消、食の安全は世代を超えて関心の高い
テーマ」と思っていたが、「どれだけ共感を得られるかは半信半疑だった」という。
口コミで閲覧者は増え、1日に100人近くに上ることも。ニーズを確信した松山さんは4月、同市以外にも
サービスを拡大させようと、独自のシステムで運営する「はなまる給食」を立ち上げた。
画像データは30年間保存され、HPでは過去に掲載された給食をすべて見ることができる。サービス開始後、
評判を聞いた志木市の保育園やさいたま市の中学校も参加を決めた。東京や千葉など、県外の学校からも
問い合わせが増えているという。
「給食バンザイ」「はなまる給食」のサービスはともに無償。松山さんは「サービスを始めて、献立の内容
だけでなく、器や品数にも差があることがわかった。『栄養士に競争をさせる気か』という批判もあるが、
競争していい給食ができるなら、その手助けをしたい」と話している。
◆画像
「はなまる給食」に載せるため、毎日、栄養士ができたての給食を撮影する=朝霞市溝沼の溝沼学校給食センター
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http://www.asahi.com/)2009年06月18日