笠間市の市立図書館が「日本一の図書館」に躍り出た。熱心な
読書ファンをも唸(うな)らせる“品ぞろえ”に加え、図書以外の
コンテンツも充実させた結果、昨年度は126万8384冊を
貸し出し。市民1人当たりでは約16冊の貸し出しとなり、
一昨年度の全国1位だった大阪府茨木市(14・9冊)を初めて
上回ることが確実となった。
市内の図書館は笠間、友部、岩間の3カ所。最も貸し出し実績の
多い笠間市石井の笠間図書館は、平成16年度にオープンしたばかり。
かつては「図書館なんて必要ない」との声も少なくなかったが、今では
平日の午後も駐車場が車でいっぱいになるほどの盛況ぶり。1日
2000〜3000冊もの貸し出しがあるという。
とくに力を入れているのはCD、DVDの貸し出し。計3万2000本も
所蔵している。CDは「音楽をよく知っている司書が仕入れる」(清水館長)
だけあって、邦楽、洋楽のみならずアニメのBGM、ジャズなど幅広い
ジャンルで充実。映像作品も小津安二郎監督作品からハリウッド映画まで
さまざまだ。
陶芸、美術コーナーが充実しているのは、やきものが盛んなこの町ならでは。
新刊のみならず古書店から仕入れた中国の陶器専門書や古い美術書など、
陶芸関係だけで約2400冊にものぼる。フランスやドイツの陶芸雑誌も
そろえ、外国人陶芸家に人気だ。
個人文学全集や百科事典、郷土資料など貴重書も多い。しかも、参考書を
のぞき「禁退出」本はなく、冊数制限もなし。毎週末に同館を訪れるという
男性(63)も「他にはない郷土資料がある。読みたい本が次から次に
見つかる」と感心。別の男性(28)も「本を借りるついでにCDを見ていくが、
ほしいものが結構あって便利」と、毎月訪れる。
利用しやすいシステムも整えた。蔵書検索や貸し出し予約は24時間
インターネットで受付、開館時間も土日祝日を含めて午前9時から午後7時と
長い。ICタグを利用した自動貸し出し機も「気楽に借りられる」と好評だ。
「よい資料をそろえれば人は来る。利用されてこそ図書館」と清水館長。
6月からは友部図書館のIC化に着手、市内3図書館の本をどの館からも
借りられるようシステム統合していく。文化交流都市・笠間を代表する
全国無比の図書館めざし、サービス向上に余念がない。
▼産経msnニュース 2009.5.26 02:51
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/ibaraki/090526/ibr0905260253000-n1.htm