「自然の中で食べる手作りバウムクーヘンは最高です」――。岐阜県可児市の里山「我田(わがた)の森」と
名城大学可児キャンパスを舞台に、16日始動した「エコキャンパスプログラム〜親子里山自然教室〜」
(名城大学、読売新聞社主催)。日ごろ自然に接する機会の少ない都市に住む親子たちは、人の手が入って
整備された雑木林の中に身を置きながら、遊びや学びを通して、里山づくりの大切さを実感していた。
「人さし指と中指を使って押し込むんだ」。恐る恐る「我田の森」の田んぼに入った子どもたちに、
里山クラブ可児(松下義人代表)のメンバーたちが苗の植え方を教えた。
横一列に並び、後ろ向きの姿勢を取る子どもたち。最初は泥に足を取られそうになり戸惑っていたが、
慣れるに従って、夢中で苗を植えていった。
バウムクーヘン作りでは、卵や小麦粉で作った生地を直径約10センチ、長さ1メートル20の竹に塗って、
親子で仲良く、炭火の上で回しながら焼いていった。参加した子どもは全員、小学校が違うが、
すっかりうちとけ、子ども同士で竹を回し合う場面も。
生地を塗っては焼くという作業を約1時間半ほど繰り返すと、香ばしいにおいが漂い、茶色の焦げ目が
鮮やかなバウムクーヘンが完成。一宮市立富士小学校5年の若尾さん(10)は「上手に焼けて、本当に
おいしかった。野外でスイーツが焼けるなんて最高です」と出来たてのバウムクーヘンをほおばっていた。
午後から可児市内にある名城大学可児キャンパスで、小池聡・都市情報学部教授のミニゼミナール
「里山の環境学」を受講した親子たちは、里山整備に欠かせない木の伐採作業の実演も見学。
里山クラブ可児のメンバーが、チェーンソーを使いスギの木を倒すと、大歓声が上がった。
名古屋市東区、愛知教育大学付属名古屋小学校5年の村瀬君(10)は「あっという間に木が倒れて、
すごい迫力」と興奮気味。三重県四日市市立富田小学校6年の伊藤さん(12)は「里山は大勢の人たちの手で
守られていることを知り、ありがたみが分かった。自然が残る里山は、なるべく残すべきだと思う」と話していた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20090516-OYT8T00871.htm 読売新聞 (
http://www.yomiuri.co.jp/index.htm)2009年5月17日