【古本】元の持ち主どんな人？ 書き込み残る「痕跡本」が人気／愛知・犬山市

書き込みが残る古本を「痕跡本」として売っている古書店がある。
愛知県犬山市薬師町のアートスペース、キワマリ荘に昨年開店した「五つ葉文庫」。
普通なら嫌われる傷本だが、手にとって見つめるうちに、元の持ち主が目に浮かんできて
楽しくなる。確かに痕跡本は面白い。

店主は春日井市に住む古沢和宏さん（２９）。名古屋造形芸術大（現・名古屋造形大）に
在学中から古書即売会で掘り出し物を探すのが好きだった。やがて、「大切に読みこまれた
本には持ち主との物語が刻まれている」と気づき、書き込みや汚れが残る本を痕跡本と
名付けて集めるようになった。

普通の本とは区別して本棚に置かれた痕跡本２０冊は、主に名古屋の古書店を
歩き回って入手した。どれにも魅力たっぷりの痕跡が残る。

たとえば大月書店の国民文庫『空想から科学へ』。１９６０年に出た共産主義の基本文献は、
とじ糸がほつれ、メモと傍線が全ページを埋める。政治の季節の熱気に打たれた学生の姿を
ほうふつさせる逸品だ。司馬遼太郎の『ロシアについて』は巻末に読了日をしめす日記風の
書き込み。「昭和六十一年八月五日。昨四日台風十号、福島、仙台に被害を与えて去る」。
太宰治の新潮文庫『津軽』には、「たいくつなりし本なれど、故郷は良いなあ」と
奥付に鉛筆で一言書かれていた。

珍妙なものでは、芥川賞作家堀江敏幸のデビュー作『郊外へ』。お金の貸借をメモしたらしい
「３０００」の数字と携帯電話番号が巻末に。書き込みが全くない代わりに、やたらとページの
隅が折られた『異星人との対話』というのもある。

本と持ち主の関係に思いをめぐらす古沢さんの達意の文章が１冊ごとに添えられている。
売値は４５００円から８万円。相当に高めだが、「初版本や希少本に高値がつくように、
痕跡本の価値も評価されるべきだ。痕跡の重みや面白さを自分なりに評価した価格です」
と話す。営業は毎週土、日の午後１時から午後７時まで。問い合わせは、古沢さん
（※電話番号省略）へ。（佐藤雄二）

asahi.com（朝日新聞社）　09/05/07
http://book.asahi.com/clip/NGY200905040019.html
▽画像
書き込み満載の「痕跡本」の数々＝愛知県犬山市薬師町
http://book.asahi.com/clip/images/NGY200905040021.jpg

ちんぐげ

犯人はヤス

認められにくいだろうが主張のほどはわかる。
この人がどこまで頑張れるかによってこの世界の今後が決まるだろう。
期待したい。10年ほど。

犬山なんて場所が悪いぜと思ったが
アートスペース併設ってことは一般の古書店とはちょっと条件が違うかもね。

高校時代に図書室の本にちょこと感想かいた紙をはさんで返したら、その紙への
返事やイラストがいくつか書かれてた。みんなこの本を読んだんだなーと思ったのを
思い出す。

C言語のテキストでおにゃの子の丸文字がたくさん書き込んである
古本を買ったことがあるお。
一生懸命に勉強している健気さにハァハァしちゃう。

「午後七時光陽園公園で待つ」って栞をやたらと図書館の本に挟んでる腐女子がいた

ブックオフの中古本に占めるサイン本の多さは異常。

著者のサインであれ書き込み本は書籍流通においては傷物とされる（だからこのニュースの人はそこを乗り越えようとしてる）
新刊書は売れなければ出版社に返品できるが、書店の責任で汚損した本は返本できない
だからしょうがなく裏から新古書店に流される

逆に出版社が金策のために新品在庫を裏から古書店に渡して現金化ことがある
これがいわゆるゾッキ本
一般書店では表示価格で売ってるわけだから、本をわざわざ傷物にして
建前として新品でないことにして表示価格より安く流す

もちろんこれ以外に一般からの買取もあるだろうけど

>>6
俺のツレにも
やたら丸文字な奴がいるよ


男なのに

ファミコンの痕跡ソフトも評価されたりして。

>>1
>やたらとページの 隅が折られた『異星人との対話』というのもある

これは福田和也の推奨してた読書法だな。
線引きする代わりに、そのページの端を折ってゆく。

中身に生真面目にきっちり細かい字で書き込みしてある
名前入りの日本軍の歩兵用の教程本を見たときに
つい買ってしまった
元の持ち主は戦死したのかと思ったり・・
歴史の重みのある本だと思う

あと、コバエをはさんだ痕跡本はカンベンして欲しい・・・

>>13
後生大事にしてくれ。
国に命を捧げた英霊の夢の跡だ。

糊付けのエロ雑誌？

>>売値は４５００円から８万円。相当に高めだが、
>>「初版本や希少本に高値がつくように、痕跡本の価値も評価されるべきだ。
>>痕跡の重みや面白さを自分なりに評価した価格です」 と話す。

もしもこういう価値観が一般化したら、わざと興味深そうな
書き込みを入れて、高値で売ろうとする動きが発生しそう。
でも高値転売目的かナチュラルな書き込みかの判別なんて
まず無理だろうから、やっぱり一般化自体無理だろうね。
やっぱりダメなような気がするな。

>>1
これは純粋に面白いね。
でもまあ高価だな。傷物と考えるでなく「面白さが増してるよ」ってことで
普通の古本より少しだけ価格を低くして売ればいいのに。流行るかもだし客寄せになるかも。
このままじゃ、店主の一攫千金根性丸出しで吐き気がする。

>>17
紙質と鉛筆やペンのインクの変化具合で、
最近書き込まれたモノか数十年前のモノか判別できないかな？

何らかの手段で『鑑定』出来たとしても、そこまでする必要もないか。

痕跡本なんて珍しくもなくて、普通は痕跡なしの場合の半額ぐらいで売ってるよね。
安いので買うことはあるし、前の所有者の線引きの箇所なんかをチェックするのは
けっこう愉しみだったりもするな。
でもまあ、高い値付けされても買う気にはならない。