http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090426-OYT1T00015.htm 普段は公園などを彩る花壇だが、災害時は瞬時に洋式トイレに早変わり――。
「林物産情報センター」(茨城県日立市東金沢町、林加奈子社長)は、花壇兼防災
トイレ「イキイキシステム花壇」を自社開発し、今月から販売を始めた。同社は「災害
時のトイレ不足の根本的解決を目指した」としている。
システムは、地上部の花壇と花壇の台座、地下に埋めるプラスチック製の雨水貯
留槽の構成。災害時に花壇を外せば、台座部分が便座のついた洋式トイレになる仕
組み。雨水貯留槽は便槽として利用する。
花壇をトイレに変える作業時間は大人2人で約3分で、備え付けのトイレカバーで
囲えば更衣室にもなるという。
貯留槽の容量は1基あたり2・4立方メートル。同社の計算では、1日に延べ1080人
が約6日間、トイレとして利用可能だ。使用後は、消毒などを施し、再度、花壇として
利用できるという。
国の中央防災会議が昨年発表した試算で、災害発生時には東京都心の約7割の
人が、トイレを利用できなくなる可能性が指摘されるなど、トイレ確保は大規模災害
時の課題の一つ。
同社では、「都市部を中心に、憩いと安心を併せ持つ防災トイレの需要は増加が
予想される」としており、自治体や街づくり団体などを対象に、初年度は2000基の
売り上げを見込んでいる。標準製品価格は1基35万7000円。