山菜のほろ苦さ、春野菜独特の甘み…。その繊細なおいしさに旬を感じる季節になった。
そんな中、野菜そのものに塩味やスパイス味があるユニークな新顔の“味付き野菜”が
話題を呼んでいる。ドレッシングや調味料要らずの野菜の魅力とは−。
≪しょっぱい「氷」≫
「塩味が効いた野菜」として人気が高まりつつあるのが、南アフリカ原産のアイスプラント
だ。日本では「バラフ」「ソルトリーフ」などの商品名で出回っている。
葉や茎の表面がキラキラと光る水泡に覆われ、食べるとシャキッ、プチッと、今までに
ない食感に驚かされる。肉厚でゴツい見た目からくる印象とは異なり、えぐみや渋みは
なく、ほのかな塩味が口の中に広がる。
しょっぱさの秘密は、根から地中の塩分を吸い上げて蓄えるというアイスプラント特有の
性質にある。この新顔野菜を特産品にしようと、佐賀大学発のベンチャー企業「農研堂」
(同県神埼(かんざき)市)が力を入れている。
「実はアイスプラントの習性を塩害地域の土壌の修復に役立てられないかと10年前から
研究を進めていたんです」と代表の北原良太さんは説明する。
一方、味が良く、欧州では食用に使われていたことから、野菜化に向けての取り組みも。
スワヒリ語で「水晶」や「氷」を意味するバラフと名付け、3年前に本格出荷を始めた。目新
しさから、いち早くプロの料理人が注目し、栄養価の高さが知られるようになると、人気は
家庭へと広まった。現在は、地元の農家7軒で栽培されている。
「バラフを通じて地元の農業の活性化を図るとともに、『地方発の農業』を広くアピールして
いきたい」と北原さんは意気込む。
≪日本人好み≫
「あれ? この野菜、見た目はクレソンみたいだけれどワサビの味がする」
「この葉っぱはマスタードっぽい」
東京・銀座のマロニエゲートに入るデザートレストラン「ミラヴィル インパクト」では、女性の
こんなやり取りが見られる。
ランチセットに時折お目見えするスパイス味の新顔野菜を提供しているのは、野菜の開発・
販売を行うアグリアシストジャパン(東京都中央区)だ。ワサビのようなさわやかな辛(から)
みの「チャムスル」、マスタードに似た風味の「クマルリーフ」、見た目は三ツ葉のクローバー
そのものの「ミティー」の3種類がある。
ミティーは油でいためると、カレーの香りがフワッと立ち上る。「種子がカレーの原料だから、
こういう風味が出るんですよ」と同社代表の杉本章さん。
視察に訪れたインド、ネパールでこれらを見つけ、口にしたところ、辛みが日本人好みだった
ため、日本での栽培に踏み切った。
■ソース
msn産経ニュース (
http://sankei.jp.msn.com/top.htm )[2009.4.26 08:02]
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/090426/sty0904260804001-n3.htm