懐かしい学校用具がアートに――。東京造形大(八王子市)4年の小川さんが、
町田市の協力で廃校舎のいすを材料にした作品を完成させた。風変わりな
ジャングルジム。作品は遊具として使え、小川さんは「実際に触れて郷愁を感じて
もらえれば」と話す。15日まで、横浜市中区山手町の岩崎ミュージアムで展示している。
小川さんの制作テーマは、空間デザインやインテリア。素材としての廃材に興味があり、
公園の遊具を作るアルバイト時代、解体した古いブランコの板や鎖を使い、いすを作った
こともある。「新品でないモノに心が動かされる。まだ使えるモノを『救出』し、さらに価値
のある何かに変えることがおもしろい。遊具を家具にしてきたので、家具を遊具にする
ことを思いついた」
目をつけたのが、学校の廃材だった。他市では断られたが、同大と連携協定を結んで
いる町田市の教育委員会から、廃校になった旧忠生第六小のいすと机を譲ってもらう
ことができた。50脚ほどのいすを材料にした作品は、シンプルに「ジャングルジム」と
名付けた。幅約2.1メートル、高さ約1.9メートル。微妙にゆがんだパイプはどれも
「個性」があり、きれいに組み上げ、溶接するのに苦労したという。机の天板は、
作品名を掲げるプレートに使った。
造形美より、遊具としての視点を重視したため、実際によじ登ることもできる。展示を
企画した同館も「会場に来た子どもが吸い寄せられていく。機能性を備えた立体作品」と
評価する。「夕日を浴びた公園」をイメージした会場には、廃材でつくった「ブランコ」など
も置かれている。小川さんは「再生アートと言うより、モノへのいとおしさ、郷愁などを感じ
てもらえれば」と話している。
開館時間は午前9時40分〜午後6時(入館は同5時半まで)。
ソース
http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000902120001 http://mytown.asahi.com/tama/k_img_render.php?k_id=14000000902120001&o_id=2135&type=kiji.jpg