五泉市はこのほど、「忠犬タマ公」の結ぶ縁で、神奈川県横須賀市と災害時の相互応援協定を
結んだ。飼い主の命を二度にわたって救ったシバイヌ、タマ公の美談をきっかけに、両市の
市民レベルで培ってきた友好関係が、具体的な自治体間の協力体制へと発展した。
タマ公は、1934年と36年の二度、旧川内村(五泉市)の山中で、雪崩に遭った主人を
雪から掘り起こして救助した。前足を血まみれにしながら雪を掘った逸話については、現在も
地元の川内小学校が総合学習で取り上げ、独自のミュージカルで勇気と愛情の大切さを
語り伝えている。
一方の横須賀市では、本県出身者が同年、同市衣笠地区の公園にタマ公をたたえる顕彰碑を建立。
2002年に川内小の児童が同地区で開かれたタマ公慰霊祭に参加したことなどから交流が
始まった。旧村松町に横須賀市民を招いて農業体験や名所の散策ツアーを行ったり、横須賀市の
「よこすか産業まつり」で五泉市の物産を販売したりして、友好を深めてきた。
昨年9月、五泉市で開催した県総合防災訓練には、横須賀市の災害二輪調査隊も駆け付け、
交通が途絶した被災個所の把握などを担った。こうした実績の積み重ねが、協定締結に
つながった。
応援協定は、横須賀市役所の市長室で、五十嵐基五泉市長と蒲谷亮一横須賀市長が関係書類に
調印し、締結した。災害時には、相互に資機材の提供や職員の派遣など救援活動を行う。
五泉市では「三浦半島に位置する横須賀市は、断層的に五泉市と同時に被災する可能性は低い。
相互応援は両市の市民に非常に心強いものになる」と話している。
ソースは
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=2&newsNo=156777 五泉市のサイトから、忠犬タマ公物語
http://www.city.gosen.niigata.jp/7/126/000329.html 昭和の初め、早出川のほとり(旧川内村)の猟師の家に、柴犬のタマは生まれました。
(中略)
元気に野山を駆け巡り、タマはりっぱな猟犬に育ちました。
(中略)
タマに追われて飛び立つヤマドリに、二人は鉄砲をかまえました。「ダダーン!」・・・とその時。
大きく鳴った銃声が衝撃となって雪がくずれ、ものすごい雪崩となって二人を襲いました。
あっという間に雪に埋もれ、身動きもとれない刈田さん。上の方で、タマが雪を掘る音がします。
「タマー、タマー」と懸命に呼びかけました。刈田さんの声に応えるように、雪を掘るタマ。
ついに刈田さんの頭は雪の外へ・・・。
タマは両足を血だらけにしながらも掘り続け、刈田さんは脱出することができました。
(中略)
それから約二年たった、昭和十一年一月十日。刈田さんは、近所の人たち三人と桜谷へムジナを
狩りに行きました。もちろんタマも一緒に、雪の積もった山を分け入って行きます。両側の山は
急斜面です。ふと危険を感じた刈田さん。「みんな、頂上の林まで上がれ!」と、叫びました。
しかし、足下の雪がグッと無気味な音をたてたかと思うと、「ドドドーッ!」。雪けむりをたてて
落ちる雪崩に、一瞬のうちに四人とタマは押し流されていました。
ゴロゴロと転がるタマ。でも、大好きな刈田さんを助けようと、立ち上がって雪の上を
探し回ります。重たい雪につぶされて、次第に気が遠くなっていった刈田さん。「もう、だめか」
と死を覚悟した時・・・「ウーッ、ワンワンワン!」タマがまた助けにきてくれたのです。
果敢に雪を掘るタマ。刈田さんは、またしても九死に一生を得ることができました。
(後略)