現在、全国で千葉県でしか確認されていない希少植物のオオミズトンボ(ラン科)が
福島県内でも生育していることが確認された。
福島大共生システム理工学類の黒沢高秀准教授と県植物研究会の伊賀和子さんが
浜通り北部で確認した。
国のレッドデータブック作成後の報告では、千葉県に次いで全国で2カ所目。
オオミズトンボはかつて北海道をはじめ本県など数県での生育があったが、
環境省が平成9年に行った最初のレッドデータブック作成のための調査では
1カ所も確認できなかった。
8月に既に発見していたが、確認や今後の保全策の検討などで今月の報告となった。
オオミズトンボは明るい湿地を好む大型のランだが、湿地の埋め立てや
大規模な開発にともない生育環境が大きく失われている。
19年8月発表の環境省レッドリストでは絶滅危惧(きぐ)●A類にランクアップされ、
また本県でも絶滅危惧●類に指定されている。
黒沢准教授は「“幻の植物”が県内から見つかったのは驚きで、全国に誇れる
地域の宝といえる。今後は行政や地権者の理解と情報管理の徹底が欠かせない」
と話している。
※●はローマ数字1
福島民報 08/11/22
http://www.minpo.jp/pub/topics/hotnews/2008/11/post_291.html ▽画像
県内で生育が確認されたオオミズトンボ=伊賀和子さん提供
http://www.minpo.jp/pub/topics/hotnews/image/post_291_IMAGE1.jpg