野生のタヌキの一家が今年春から約半年間にわたり、近くの山から京都市西京区の桂坂野鳥
遊園に連日通う生活を続けている。3月ごろ生まれた子ダヌキが母親と支え合いながらすくすくと
成長していく様子を見て、園の職員と来園者が心を和ませている。
同園は西京区御陵北大枝山町の山すそにあり、季節ごとの野鳥が池や森に飛来する。
タヌキは窪田実園長(72)ら職員が出勤して池のカモに餌のパンを与える午前9時−10時ごろ
によく現れる。
園で見掛けるようになった最初のころは、母ダヌキ1匹だけが来ていた。ひどくやせており、地
面に落ちたパンをくわえては、やぶの中へ持ち帰っていた。同じ行動が数日続いたある日、手の
ひらに乗るほど小さな子ダヌキ4匹が茂みの中から顔をのぞかせていたのが目撃され、母親が
子を育てるために餌を集めていたことが分かった。
今は成長した子ダヌキが餌を探しに来る。やはり、その場では食べず、やぶまで持ち帰って一
家で分け合って食べているようだ。
窪田園長は「野生動物なので積極的に餌をやるわけにはいかないが、生きるためにこぼれた
分を食べるくらいなら、野鳥に害も与えないのでかわいいものだ」とタヌキ一家を見守っている。
桂坂野鳥遊園は午前10時−午後5時(月曜と火曜は休館)に開園している。入場無料。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ソース:京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008093000112&genre=K1&area=K00 画像:山から餌を探しに連日やってくる野生の子ダヌキ
http://www.kyoto-np.co.jp/static/2008/09/30/P2008093000112.jpg