吉野ケ里町が、ジャンボニンニクを使って町おこしをしようと地元の農家と協力して
生産を始めている。ジャンボニンニクは1片100グラム以上あり、約10センチに
なるものもある。名づけて「吉野ガーリック」。町はこれらを県内の道の駅や料理店に
卸し、流通ルートの確保に努めており、「今後、JAS認定農地で生産し、安全な食材で
町おこしを」と意気込んでいる。
このジャンボニンニクは、同町三津の農家、松本さん(54)が生産していた。
松本さんは、イチゴ狩り農園を経営。全国から来客も多く、軒先に乾燥させるために
かけていたところ、「これ、ニンニク?」と、その大きさに驚いた人から質問を受けて
いたという。
04年7月には同町役場の職員らが集まった飲み会の席上で「町の特産品を作りたい」と
話が出て「吉野ケ里町だから、『吉野ガーリック』はどう」と笑い話になったという。
その後、同町農林課の職員がたまたま松本さんのところにイチゴ狩りに出掛け、そこで
ジャンボニンニクと遭遇。「これだ」。町おこしに使いたいと申し入れ、松本さんが快諾し、
ニンニクの種を量産。一つの房から4-8片、種は7-8個とれる。種を同町の農家8軒に
それぞれ400個ずつ提供し、07年9月に作付け。先月、9450個が収穫できたという。
松本さんによると、このジャンボニンニクは一般に市販されているニンニクと品種が
異なる。発芽防止の薬剤も使っていない。電子レンジで加熱すればそのまま食べられる。
タマネギの皮の中に、ジャガイモが詰まっているような食感で、においもそれほど強くない。
吉野ケ里町が製作したジャンボニンニクのパッケージには、みやき町税務課長の
板谷さん(54)がデザインしたキャラクターが描かれている。
吉野ケ里町役場に板谷さんの妻が勤務している縁で、デザインを頼まれ、実現。
キャラクターの制作費は無料。現在、商標登録を申請しているという。
本来、ニンニクは乾燥した土地での生産に向いている。町によると、06年に旧三田川町が
合併で吉野ケ里町となった際、山間地は区画整理の対象にならず、町は、そこを農地に
することを決定。今まで農地として利用されておらず、整備すると同時に、有機農産物を
作っているところに認められたJAS認定農場の申請をする予定。ニンニク以外の
農産物も生産したいという。
同町では、年間数百頭のイノシシが出て農作物が被害に遭っており、地元では、
ニンニク農場にイノシシが出たら捕獲してシシ肉としても提供したいと「一石二鳥」を
もくろむ。松本さんは「ニンニクを町おこしに役立てたい。これをモデルに町内の
農産物生産を広げ、高齢化する農家に活気を取り戻したい」と話している。
ソースは
http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000000806190002 “吉野ガーリックは房の大きさが約20センチあり、一片は約7センチある”という画像は
http://mytown.asahi.com/saga/k_img_render.php?k_id=42000000806190002&o_id=2708&type=kiji.jpg みやき町税務課の板屋さんが描いた吉野ケ里ガーリックのイラスト
http://mytown.asahi.com/saga/k_img_render.php?k_id=42000000806190002&o_id=2709&type=kiji.jpg