都市と農村の共生を目指して、小千谷市が昨春、塩殿地区にオープンした滞在型
農園「クラインガルテン」が好調だ。今月、さらに15棟が完成して計30棟と
なったが、すでに満室。利用者の大半は東京など首都圏の住民で職場を定年退職
し、「第二の人生」を楽しむ人が多いようだ。
関越自動車道の越後川口インターチェンジから車で約5分。カタクリが咲き誇る
山本山(標高336メートル)の中腹に「おぢやクラインガルテンふれあいの里」
はある。全30区画。1区画の広さは300平方メートルで、200平方メートル
の農園と、ラウベと呼ばれる宿泊施設(延べ床面積40平方メートル)がセットに
なっている。ラウベはファミリー向けとシニア向けの2タイプあり、車庫や物置、
キッチン、バス、トイレ、ロフト、エアコンが完備されている。年間利用料は39
万6千円。1年契約だが最長で5年間の延長が可能だ。
「月に最低2泊または4日滞在してもらうのが条件。週末に来る人もいるし、厳しい
冬場を除いてずっと生活している人もいます」と、市農都共生推進室の久保田係長が
説明する。04年の中越地震で事業が遅れ、昨年15棟のみでオープンしたが、首都
圏などで応募を呼びかけたところ、たちまち満室に。今月新たに完成した15棟もす
ぐに埋まり、4組が空きを待っているという。利用者の現住所は東京都が10組と最
も多く、次いで千葉と神奈川、新潟の各県が5組ずつ、埼玉県が4組と続く。年齢は
60代(16組)、50代(12組)が大半を占める。「定年を迎えた団塊世代を
中心に田舎暮らしにあこがれる人たちが多いようです」
クラインガルテンには管理棟があり、市職員1人が常駐。塩殿地区の町内会でつくる
管理組合が農業指導する。土づくり講習会、山菜採り教室、ホタル観賞会など地域
住民と利用者との交流イベントも年間を通じて組まれている。中越地震で住宅移転が
加速した小千谷では今年3月末、住民基本台帳に基づく人口が54年の市制施行以来
初めて4万人を割った。まずはここで田舎暮らしを満喫してもらい、定住促進につな
げていくのが市の狙いだ。中越地震の影響で計画が凍結しているが、クラインガルテ
ンの敷地内には定住希望者のための分譲予定地もあるという。
今月から妻とともにラウベに入居した埼玉県の那須さん(62)は元JR社員。長年、
貨物列車を運転していた。新聞記事でクラインガルテンを知り、すぐに申し込んだという。
「定年後は土いじりがしたかった。新潟県は初めてですが自然が素晴らしい。ここは設備
も完璧で農業指導もしてくれるので言うことなし。月に20日以上はここで暮らしたい」
と那須さん。クラインガルテンには滞在型のほかに、日帰り型農園(全84区画)もある。
1区画50平方メートルで年間利用料は9600円。こちらは現在も申し込みを受け付けている。
朝日新聞 2008年04月25日
http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000804250003 おしゃれなラウベが並ぶ。専用農園では好きな作物を育てられる
http://mytown.asahi.com/niigata/k_img_render.php?k_id=16000000804250003&o_id=3570&type=kiji ※関連スレ
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