高齢者自身がモデルを務めるファッションショーがホールや介護施設で開かれている。丁寧に
お化粧をし、きれいな衣服を身にまとい、拍手喝采(かっさい)を浴びれば、誰でも快感。
おしゃれは心身ともに若さを保ち、介護予防に役立つとされるが、ただ「楽しいから」と
続ける人も多い。
60人以上の観客が見守る中、60代から80代の女性20人以上が音楽に乗って次々登場、
軽やかに1回転して花道を行く。東京都東久留米市の市役所内特設ステージで開かれた
「着物リフォーム・ファッションショー」。生活協同組合・東京高齢協内のグループ
「いよよ華やぐ倶楽部」(白石禮子代表)などが1996年から高齢者の生きがいづくりの
一環として行っている催しだ。
最初は表情が硬かった“素人シニアモデル”も、着替えての2度目の登壇では余裕の笑顔。今回が
初挑戦の池田さん(67)=東久留米市=は「人に見られるのはいい意味で緊張感がある。
モデルっぽい雰囲気が出せたと思います」と、終わった後も興奮冷めやらぬ様子で語る。
病みつきになった“モデル歴”9年の竹田さん(78)は「玄関先に姿見を置いて容姿をチェック
して外出するなど、日常生活でもおしゃれに気を使うようになった」と言う。いつもはつえを
手放せないが、ステージ上ではつえなしで歩けるようになった。
数は少ないが、男性モデルもいる。山本さん(79)=川崎市麻生区=は友人に頼まれ、
3年前から地元のショーでステージに立つ。和服だけでなく、ネパールの民族衣装を着たり
したこともある。「モデルをしたことが近所で評判になったこともあって、(他人の目を
意識して)自分の行動に気を付けるようになった」と意外な効用も口にした。
公開型のショーだけでなく、身内同士の催しとして取り入れる施設もある。その1つ、
有料老人ホーム「ボンセジュール千歳船橋」(東京都世田谷区)は、入居者による
ファッションショーを初めて開催。車いすの2人を含む女性6人がモデルデビューした。
「渋々参加した人がいざ準備に入ると張り切りだしたり、『次はわたしも』と意欲を見せる
人もいたりする。普段見られない入居者の表情は家族にも好評なので、第2弾を実施したい」
と施設長の金山善哉さんは言う。
被服心理学者の立場から高齢者のファッション・セラピーにも取り組んでいる京都女子大
家政学部教授の泉加代子さんは「人は幾つになっても『スポットライトを浴びたい』との
気持ちがあり、おしゃれをすると表情が明るくなり、他人とも積極的にかかわるようになる。
外出の頻度も増えて刺激を受け、介護予防につながると思う」と話している。
ソースは
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/topics/20080222/20080222_001.shtml “シニアモデルによるファッションショー”という画像は
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/topics/20080222/honbun20080222_001_000.jpg 依頼を受けてたてました。