歌舞伎ワークショップの成果披露へ猛げいこ
「問われて名乗るもおこがましいが、生まれは遠州浜松ぜえ…」。熱気を帯びたけいこ場に、
七五調の「名ぜりふ」が小気味よく響く。大垣市禾森町の私設文庫「森のいずみ」(田中代表)
が開く「チャレンジ歌舞伎ワークショップ」の参加者だ。1年間の集大成となる発表会を2月3日
に控え、出演の市民らが連日、力の入ったけいこに励んでいる。
ワークショップは、森のいずみ開設20周年の記念事業。読み聞かせや人形劇の出張公演、
朗読劇を実施してきた森のいずみが、初めて市民参加で古典芸能に挑戦。昨年4月から、
劇団「前進座」の藤川矢之輔さんの指導で、市民約30人が歌舞伎の基礎を学んできた。
発表会の演目は「弁天娘女男白浪」(白浪五人男)の一幕「稲瀬川勢ぞろいの場」。悪事を
重ねた5人の盗賊が、追っ手から逃れて稲瀬川の土手に集まる。1人ずつ、名乗りを上げて
素性を明かす名調子が見どころだ。
出演は、西濃地域中心の20代から70代の男女19人。歌舞伎とは縁のなかった「素人集団」
だが、声を張り上げ見栄を切り、和装もさまになってきた。垂井町の北島さんは「歌舞伎の
せりふは声に出すと気持ちいいし、楽しくて仕方ない」と満面の笑み。
発表会では前進座から衣装やかつら、小道具を借り、プロさながらのいでたちで舞台に上がる。
田中代表は「本格的に歌舞伎を学ぶというより、古典に親しむきっかけになれば」と期待。
発表会は午後1時、同40分、同2時20分の3回、大垣市加賀野のソフトピアジャパンで上演。
入場無料。
写真 発表会を前に、けいこに励む出演者ら=大垣市禾森町、森のいずみ
http://www.gifu-np.co.jp/hot/20080126/200801261205_1462.jpg 岐阜新聞 2008年01月26日
http://www.gifu-np.co.jp/hot/20080126/200801261205_1462.shtml