五島市玉之浦町幾久山(いつくやま)で二十三日夕、伝統行事の大綱引きがあった。
住民や児童、生徒ら約百三十人が、男女対抗で長さ約五十メートル、直径約四十センチの
綱を引き合った。
大綱は、かずらをしんにして、各家庭から持ち寄った稲わらで朝から編み上げた。
綱引きは、男性陣が勝てば豊作、女性陣が勝てば家庭円満とされる。
始まりを告げる太鼓の音が鳴り響くと、大綱を全員で抱え、田んぼに挟まれた一本道へ。
綱の中心を確認し、そこに片山喜一郷長(67)が、縁起物として赤い花が咲いた
ヤブツバキの枝を厳かに挿し、お神酒で清めた。
男女に分かれて勝負開始。力を込めて引っ張り合い、熱戦の末、二勝一敗で女性陣が勝利。
家庭円満が約束され、最後に万歳をして今年の幸せを願った。
幾久山は、山あいにある約七十世帯の農村集落。玉之浦町郷土誌などによると、
五島を平定した十七代宇久盛定の二男盛重が、幾久山を治めた歴史がある。
盛重の長男盛長の妻、細御寮(ほそごりょう)は絶世の美女で、豊臣秀吉から
召し出すよう命令を受けたため、貞節を貫き自害したという哀話が残っている。
住民の中には、綱に挿したヤブツバキの花に、細御寮のかれんでつつましいイメージを
重ねる人もいる。
ソースは
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20080125/09.shtml “赤い花のツバキを挿した大綱を引く住民たち”という画像は
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20080125/09.jpg 依頼を受けてたてました。