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>>1のつづき)
地元関係者は「粗暴で落ち着きがなく褒められた子ではなかった。先生にとっては手が
かかる子だったし、あの子だったらありそうだなと思った」とやんちゃな子供時代を明かした。
別の関係者も「女風呂はロビーとは階も違い離れている。面をつけて視野も狭いのに事前に
場所を知らなければ行けるはずがない」と確信犯をにおわせた。
騒動の発生時、女風呂の浴室にいたのは、家族7人で宿泊していた母と20歳の長女に
小学生2人の計4人。町内会は、まとめ役らが男を伴って旅館に謝罪に訪れ、男は「大変
申し訳ありませんでした」と泣いて詫びたという。当事者の父親は「反省は伝わった。まだ若く
これからのこともある」と謝罪を受け入れたという。
男鹿温泉郷地域で協議した結果、同町内会のなまはげ活動の3年間停止などを盛り込んだ
対策議事録を家族に提出。家族は「反省点を真摯に協議頂けた証」と納得、旅館に
「これでクローズしていただきたい」という趣旨の連絡を入れ、刑事告訴や損害賠償を求める
意思はないという。
真山なまはげ伝承会の菅原昇会長(64)は「なまはげの本来の姿が正しく伝えられていない
から、こういう事が起こるのではないか」となまはげの未来を危惧する。さらに「観光用に
なまはげをやるなら、ルールを作るなど行政に動いてもらいたい。大みそかの行事としての
なまはげは、長年受け継がれてきた。(従来の形を)変えていく気持ちはない」と地域の伝統を
守る意志は固い。
一方、男鹿市観光課の杉山主幹は「観光用と地元のものでは違うことは理解している。
観光用には、ルール作りを進めていきたい」と話した。
子供や若いお嫁さんの怠け心を戒めるため、荒々しい身振り手振りで悪を払うのがなまはげ。
地元では、胸をつかまれて「痛い」と泣く女性に、「逃げ遅れたおまえが悪い」とまわりがなだめ、
女性も「御利益だ」と前向きにとらえるが、観光客相手ではそうはいかない。
不祥事発覚後、町内会のメンバーの一人は「今は昔と違うんだから」と、エロなまはげを
たしなめたというが、とんだ課題を残した“神様”のご乱行だった。(以上、一部略)