正月に欠かせないおせち料理。だが連日食卓にのぼると飽きてくるのも事実で、
結局冷蔵庫の奥にしまい込んでしまう家庭も少なくない。そんな余りもののおせちを
アレンジし、目でも舌でも楽しめる料理を作れないものか。管理栄養士・医学博士の
本多京子さんにアイデアを教えてもらった。
≪お煮しめ・黒豆≫
本多さんがまず挙げたのはお煮しめの残りを使った「お煮しめの華やかちらし」だ。
「各素材をていねいに煮付けたお煮しめは、ちらし寿司(ずし)の具によく似ているんです」
昆布と一緒に炊いたご飯に、合わせ酢(酢大さじ5、砂糖大さじ1 1/2)、塩小さじ
2/3=4人分)を回しかけ、切るように混ぜる。お煮しめとだて巻き、かまぼこを
7〜8ミリ角に切り、酢飯に加えてさっと混ぜる。最後にイクラや塩ゆでした絹さやを
飾る。「ゆでたエビを加えたり、だて巻きの代わりに錦糸卵を使ってもいいですね」と
本多さん。
次に黒豆を使って、ひと味違ったホットケーキはいかがだろう=レシピ参照。「黒豆に
しっかりと甘みがあるので、バターやハチミツはほとんどいりません。おやつ感覚で、
朝寝坊した日のブランチや、お昼に食べるのがいいですよ」
黒豆はヨーグルトに加えるのもお勧め。「豆は食物繊維が豊富。しかも、オリゴ糖が
乳酸菌を活性化させるので、整腸効果が高まります。食べ過ぎで疲れたおなかには
ちょうど良い」という。
≪なます・昆布巻き≫
なますは大根で巻いてロールサラダに変身だ。大根(5、6センチ分=2人分)の皮を
むいて薄く輪切りにし、塩水(水2カップ、塩大さじ1)に5分ほど漬け、ザルに上げて
水気を切る。それに薄切りハム(大きければ半分に切る)を重ね、なますを乗せて巻き、
つまようじなどで留め、ドレッシングをかける。クレソンなどを飾れば完璧だ。
「和から洋への変身です。ハムの赤みが大根から透けてみえて、ごちそうになります。
お酒のつまみにもいいですよ」
また昆布巻きは厚焼き卵の具材に。卵2個に、粗めに刻んだ昆布巻き2切れと、
小口切りにした万能ネギ2本を混ぜる。あとは普通の厚焼き卵と同じ。「ふんわり
軟らかくさせたければ、だし汁大さじ1を加えます。塩分は昆布に付いているので
加える必要はありません」。朝ご飯や早速のお弁当に使えそうだ。
総菜メーカーのフジッコが18年12月〜19年1月、関東・関西の主婦を対象に実施
した「おせちに関するアンケート」によると、余ったおせちは、「仕方なくそのまま食べた」
が56・9%で過半数を占め、「別メニューにアレンジした」は26・2%、「捨てた」が
18・5%に。
本多さんは「市販のおせちを食べる人が多くなり、応用がきかなくなっている。余った
ものは変身させれば家族も食べてくれる。正月ぐらいは、市販品に頼らず、煮物や
煮豆などの食文化を若い世代に伝えるべきですね」と話している。
【黒豆のホットケーキ】
材料(6枚分)
・黒豆140 グラム▽薄力粉180グラム▽ベーキングパウダー小さじ2
▽砂糖60グラム▽卵2個▽牛乳120ミリリットル▽サラダ油少々
〔1〕ボールに薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖、卵、牛乳を入れ、泡立て器でよく
混ぜる。粉っぽさがほとんどなくなったら黒豆を入れ、さらに混ぜる。
〔2〕フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、生地を6分の1ずつ流し入れ、ふたを
して2分、表面にぷつぷつと穴が開いてきたら裏返し、再びふたをして2分焼く。
〔3〕器に盛り、好みでバター、ハチミツをつける。
ソース(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080105/sty0801050846000-n1.htm