すさみ町江住の町立エビとカニの水族館で28日、開館以来の入館者が30万人を突破した。
この施設をめぐっては、町が3年をめどに管理運営委託金をなくす方針を示し、
その後の運営が心配されている。
橋本明彦町長は「水族館は町の情報発信基地として必要な存在。
町財政は厳しい環境にあるが、存続やバージョンアップに向けて今後3年で支える下地をつくりたい」と話した。
同水族館は南紀熊野体験博を契機に、町の主要産業であるエビ網漁をPRしようと1999年4月に開館した。
小規模だが、世界でも珍しいエビとカニにテーマを特化した水族館で、
町内のエビ網漁でかかったエビやカニを中心に、海外の海の生物を含め常時80種400点以上を展示している。
初年度は約4万4000人が入館。
以降も年間3万〜3万5000人が訪れている。最高で1100人が入館した日もあった。
30万人目はすさみ町周参見の中村勇介君(7)。
母親の中村千佳子さん(29)、祖母の赤井操さん(65)と訪れた。
橋本町長からすさみ町特産の活イセエビ2匹(1キロ、1万円相当)を記念品として受け取った。
中村君は「海の生き物が好きだし、変わったエビやカニがいるので、ここにはよく来ている。
30万人目になりびっくりした」と話した。
森拓也館長は「ここまでこられたのは地元の漁師ら大勢の協力があったおかげ。
水族館ですさみの海のよさを全国に発信したい」と喜んだ。
町は本年度、この施設に対して委託金など750万円を支出しているが、
3年をめどに廃止する方針を示している。
委託金は施設予算の約3分の1を占めるだけに、廃止されると運営が厳しくなる。
森館長は「委託金がなくなれば、どう考えても運営は無理だ。
ただ、町から正式に文書で通知されたわけではないので、対応を決めかねている」と話した。
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=138092 30万人目の入館者となった中村勇介君(左から2人目)
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