マスク進化 おしゃれグッズに
マスクの売れ行きが右肩上がりで伸びている。例年より1カ月以上も早くインフルエンザの流行期に
入ったことに加え、デザイン性に富んだ商品が、これまでマスクを敬遠していた女性に“ファッションの
一部”として受け入れられ始めていることが背景にあるという。
●5割増●
10月半ばから11月半ばまでのマスクの売れ行きが、前年同期比5割増となったドラッグストアの
キリン堂は急遽(きゅうきょ)、「インフルエンザ予防コーナー」を設置した。
キリン堂沢良宜店(大阪府茨木市)の特設棚には、うがい薬や消毒用手洗い用せっけんなどとともに
数種類のマスクがずらり。担当者は「インフルエンザ流行の報道とともに、11月以降、売れ行きが
急激に伸びた」と話す。
とりわけ敏感に反応しているのは受験生や、その関係者のようだ。インフルエンザ治療薬「タミフル」の
投与が10代は原則中止となっているため、予防策として注目。学習塾「第一ゼミナール」は12日、
ユニ・チャーム社の協力を得て、同社のキッズ向け新製品約1000個を中学受験を控えた児童に配る予定だ。
●5分の1●
マスクの着用により、インフルエンザ感染はマスク無しの5分の1にまで減少する−。
関西医科大学などが行ったこんな研究結果が11月、日本小児感染症学会で発表された。
東京都内の小学校で今年2月、児童に清掃と登下校時にマスクを装着させて調べた。
「ウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)の侵入を効果的に防ぎ、インフルエンザ感染予防には有効」と、
同大医学部の久保伸夫准教授はマスク装着効果を訴える。
マスクの機能そのものも向上している。
医療用機器のエルクコーポレーションは昨秋、接触したウイルスの99%を死滅させる特殊抗菌繊維を
原材料としたマスク「バリエールN95」を発売。また、小林製薬は防ウイルス効果に加え、水分を含んだ
フィルターでのどを潤す「のどぬーる ぬれマスク」シリーズを展開する。その“ダブル効果”が注目され、
売上高が前年比5割アップとなっているという。
●おしゃれグッズに●
広がるマスク需要。だが、マスク姿は年ごろの女性にはまだまだ抵抗があるようだ。
そんな事情を踏まえ、ユニ・チャームでは、女性向けに小さな「超立体マスク」のピンク色を期間限定で
発売し、おしゃれな着用法を紹介する「マスコレ2007」をホームページ上で展開している。
「表情が乏しくなるので、メークははっきりと」「髪はアップにして」など、マスクを美しく着用するヒントを
提案している。
このほか、医療用品の川本産業がマスクにシール状のアクセサリーを飾ることができる「デコりマスク」
を発売するなど、マスクは「おしゃれグッズ」として進化中だ。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071211/biz0712111135003-n1.htm