アルマーニ、カルティエ−。クリスマス商戦をにらみ、東京・銀座で、今月に入って、欧米
の有名ブランドの旗艦店の出店やリニューアルが相次いでいる。30日にはブルガリが
世界最大級の旗艦店をオープンする。米大手証券がティファニーの本店ビルを約380億円
で購入するなど、今や銀座は日本だけでなく、世界から注目される国際商業地域。
一見優雅にみえる高級ブランドも水面下で激しいシェア争いを繰り広げている。クリスマス
シーズンに間に合うよう、存在感を高めようと躍起になっており、銀座ブランド戦争はヒート
アップする一方だ。
■金色に輝くビル
伊高級ブランド「ジョルジオ アルマーニ」は7日、晴海通り沿いにアルマーニ銀座タワー
をオープンした。創業者のジョルジオ・アルマーニ氏は会見で「多くの高級ブランドが競合
する銀座への進出はブランドにとって付加価値になる」と強調。スパやレストランも併設する
新業態で、富裕層も多い銀座で新たな顧客を取り込む狙いだ。
一方、フランスの高級宝飾品ブランド「カルティエ」は21日、中央通りにある銀座2丁目
ブティックをリニューアルオープン。ビルの外壁をゴールド一色にし、ブランドイメージを
強調する。
■重要な商圏
銀座は商圏としても魅力的だ。東京以外の地方の観光客も見込め、最近は台湾や中国
などの外国人観光客が増加している。また、マロニエゲートや有楽町マルイなど周辺の
商業施設のオープンも相次ぎ、渋谷や六本木などとの地域間競争も優位に立っている。
伊高級宝飾品ブランドの「ブルガリ」は30日、中央通りをはさんでカルティエと向かい合う
場所に「ブルガリ銀座タワー」をオープンする。レストランやバーも備えた業態で、総売場
面積は世界最大級の約940平方メートル。「東京で最もプレステージ性(名声や格)の
高い銀座に位置し、正にアイコン(象徴)的な旗艦店」(同社)となる。
ブルガリがこれほど力を入れるのは、日本がグループ全体の売り上げの26%(2006年
実績)を占めるため。国としても1位で、銀座タワーについて、フランチェスコ・トラーパニ
最高経営責任者(CEO)は3月の記者会見で、「日本市場の重要性を一層アピールする
もの」と述べた。
■二極化も
勝ち組といわれる「ルイ・ヴィトン」はクリスマスまで、松屋をトランクに見立てた
イルミネーションを実施中。店舗の外壁にシンボル模様のモノグラムが浮かび、強烈な
存在感を放っている。
ブランドの中には「以前のような売り上げがなく、百貨店側がテナントを閉めてほしいと
思っているブランドも多い」(業界関係者)という。
上期が前年の業績を上回ったカルティエを展開するリシュモンジャパンのギャビン・
ヘイグ社長は「日本はパイが大きくないので、シェアをとるのが先決。日本市場はこれから
大きな成長はないが、安定的な成長は続く。活発なブランドはますます強くなり、弱い
ブランドとの2極化が進む」と指摘した。
ソース(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071124/biz0711241712002-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/economy/business/071124/biz0711241712002-n2.htm 写真(ビル全体を金色にしてリニューアルした「カルティエ銀座2丁目ブティック」)
http://sankei.jp.msn.com/photos/economy/business/071124/biz0711241712002-p1.jpg