仮面ライダーなど「ヒーローもの」の秘密基地は、群馬にあった。
撮影隊とロケ地の仲介を務める高崎フィルム・コミッション(FC)の活躍で、ここ数年、
群馬での映画やテレビドラマの撮影が増えている。そのなかで、「近未来を表現できる」
からと、意外な施設が人気を集める。迷路のように入り組んだ薄暗い地下通路が広がる
阿久津水処理センター(高崎市)だ。
3月に公開された映画「アンフェア the movie」。
主演で刑事役の篠原涼子がテロリストを追う。銃撃戦なども繰り広げられる病院を
設定しているが、実は水処理センターの地下通路。天井の高さは約5メートルで、
約200メートルの通路わきにはパイプが走る。
「地上だと家やビルがあり、リアルになってしまう。現実から離れて架空の世界を
表現するには、ここが最適」。高崎FCの黒崎さんが人気の秘密を明かす。
外での撮影と違って、照明を調整すれば明るくも暗くもなり、天候や時間帯によって
左右される恐れが少ない。天井が高く通路も広く、撮影セットの出し入れも便利だ。
黒崎さんは「監督の思いのままに撮影できる。東京からも近く、リピーターがほとんど」
と話す。
撮影が急増したのは、高崎FCができた02年から。これまでに映画やテレビドラマなど
26本が撮影された。半数以上の14本は仮面ライダーなどの「ヒーローもの」だ。
ここで働く井坂さん(52)は「子どもと一緒になって見ちゃいます。自分の仕事場が何度も
テレビに映れば、子どもへの自慢にもなる」と誇らしげだ。
とはいえ、この施設では1日に7万5400立方メートルもの下水を処理でき、高崎市の
下水道整備を担っている。「業務に支障がでないように、貸し出している。最初は気
になってロケを見に行ったが、今では慣れてしまって……」と井坂さん。
施設の見学は市への申し込みが必要。ただ、撮影と同様、施設内での火気の使用は
厳禁という。
(※一部省略して引用しました。)
asahi.com 07/05/14
http://www.asahi.com/komimi/TKY200705140129.html ▽画像
特捜戦隊デカレンジャーの撮影風景=高崎市の阿久津水処理センターで
(高崎フィルム・コミッション提供)
http://www.asahi.com/komimi/images/TKY200705140127.jpg