「金ちゃん」が今年も拾われた。251万人の花見客が訪れた青森県弘前市の
「弘前さくらまつり」。ポリ袋に入った金魚すくいの金魚が、落とし物として
見つかった。昨年の2匹に続く4匹だ。市職員が水槽を購入して世話している。
「成長を見るのが楽しみ」と目を細める心やさしい津軽人の姿を、水槽の
金魚たちが見つめ返している。
5日夜、まつりの最終日。人影まばらな会場で待機していた市観光物産課員
後藤千登世さん(45)のもとに、清掃担当から金魚が4匹届けられた。
「今年も来たか」。透明なポリ袋の中で泳ぐ金魚を見て、同課の中村友香さん(29)
と顔を見合わせた。金魚すくいの客が、すくった後に持て余したらしい。
昨年は赤いものと、黒い出目金の2匹が拾われた。「警察に届けるのも……」。
職員で金を出し合って水槽を買い、世話をするようになった。まとめて稚魚を
「金ちゃん」と呼んでいる。
「成長を見るのが楽しみです」と話す大和田淳さん(33)は、始業前にエサをやるのが
日課に。成長に合わせ、水槽も大きなものに買い替えた。
1月、産卵。2匹が卵を食べてしまうため、虫眼鏡を使ってストローで吸い上げ、
別の水槽に移した。孵化して40匹ほどの稚魚になった。体長は1cmほどだ。
今年の4匹も、昨年の親金魚2匹と同じ水槽で元気よく泳いでいる。
弘前署の今雅秀会計課長は言う。「生きた金魚が警察に届いたら廃棄処分に
するしかない。命が助かって良かった」
ソースは
http://www.asahi.com/national/update/0512/TKY200705120061.html 成長した金魚を見守る職員ら
http://www.asahi.com/national/update/0512/images/TKY200705120083.jpg