県が普及を進めることにしている米「淡雪こまち」は、20分でおいしく炊ける――。
宮城大学食産業学部の大久長範教授(58)=食品化学=はこんな研究結果をまとめた。
大久教授によると、「淡雪こまち」は「あきたこまち」に比べ、デンプン中のアミロースの割合が
半分以下という。アミロースが少ないと水が浸透しやすくなると考えられるといい、この特徴に目を
つけた。
通常のうるち米を炊く場合、浸水に約30分、炊飯に約20分、蒸らしに約10分で、1時間程度
かかる。
しかし「淡雪こまち」は、そのまま水を吸収しやすいため水に浸す時間は必要ないという。
炊飯は約15分、蒸らしも約5分に短縮されるといい、約20分で炊飯可能だと分かったという。
一方、米のおいしさは粘り気(吸着力)を米の硬さ(反発力)で割った「バランス度」で表される。
大久教授らの実験結果では、早炊きした「淡雪こまち」はこの数値も良かったという。
市販の早炊き米は、うるち米を一度浸水させスチームにかけた後、乾燥させておりキャンプ時などに
使われる。15分ほどで炊きあがるが、手間がかかるため値段は割高になる。
大久教授は「早さを要求される外食産業で、『淡雪こまち』は販路が広がるのではないか」と
話していた。
県などによると、「淡雪こまち」は奥羽343号と秋田51号(でわひかり)を交配させた品種で、
93年に県農業試験場が育成を開始。鹿角市を中心に約3・4ヘクタールで試験栽培され、
同市のホテルなどが買っている。一般農家では09年から栽培予定という。
asahi.com:20分でおいしく炊ける米-マイタウン秋田
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