車にひき逃げされて首の骨が折れ、上、下半身の自由を奪われながらも口に
筆ペンをくわえて感情を言葉にする安中市岩井の小林崇典さん(32)の個展
「自分の生きる証」が高崎市高松町の高崎シティギャラリーで開かれている。
両親を思う気持ちなどが伝わってくる。
営業の仕事をしていた。03年5月10日の未明だった。小林さんは自宅近くの
スナックから歩いて帰宅途中、車にひき逃げされた。容疑者はまだ捕まって
いない。首の骨が折れ、意識不明の重体。生死をさまよった。約1年3カ月、
入院した。バイクが趣味のアウトドア派だったが、首から下の自由が奪われ、
失意のどん底だった。
退院から3カ月ほどして、小さかっためいが遊びにきて、言った。
「絵をかいて」。
絵には興味がなかったが、口にペンをくわえて絵本を見ながら「アンパンマン」
を描くと、うまく描けた。
20歳のころから趣味でバッグやベストなど、レザー製品をつくっていた。
残っていたレザーに筆ペンを使い、日ごろの感情を書いてみた。
「何も文句いわずにしてくれる母に感謝の毎日」
「この生き方見てほしかった亡き父に」
05年10月に亡くなった父の勝吉さんは、事故当時、糖尿病で入院。視力が
弱まっていた。ショックを与えると思い、事故のことはずっと伏せたまま
だった。
作品を書き始めると、仕上がるまで向き合う。
「笑顔は心の友何ものにも変えられない宝だ」
黒色が基本だが、「笑顔」は明るいからと赤いペンを使った。
これからも感情を表現していく。「悩みを抱えている人に応援できることは
していきたい」。小林さんは作品を本にできたらと考えている。
個展には約50点が展示されている。10日までで、正午から午後5時。
入場無料。
ソースは
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000704090001 小林崇典さんと作品の一部
http://mytown.asahi.com/gunma/k_img_render.php?k_id=10000000704090001&o_id=1172&type=kiji 高崎シティギャラリー
http://www.takasakicitygallery.jp/