■その朝に限って散歩せがまれ…主婦「命の恩人」
「犬のおかげで助かりました」。能登半島地震で最も激しい揺れを観測した石川県輪島市で、
家屋倒壊に巻き込まれながら飼い犬に導かれるようにして難を逃れた主婦がいた。
人間なら80歳にあたる「おじいさん犬」。27日で地震から3日目。依然として約1900人が
避難所での生活を強いられる中、心温まる話題として被災者らを和ませている。
老犬は、金色の毛並みを持つシーズー犬のオス、ジュリー(16歳)。
今は近くの公民館で三宅さん夫婦と一緒に避難生活を送っている。
今月25日午前9時ごろ、いつもはまだ眠っているジュリーが、その朝に限って「クンクン」と鳴き声を
上げ、三宅さんの足元にまとわりついてきた。新聞を読んでいると、新聞紙の上に飛び乗って
散歩をせがんだ。
自宅周辺を回って午前9時半すぎに帰宅。木造2階建ての母屋から突き出た増築部分の浴室で
愛犬の足を洗っていたら、ドーンときた。
「揺れるたびに浴槽の水がかかって、津波を浴びている気分でした」。三宅さんは無我夢中で
愛犬を抱きしめていた。
■「母屋にいれば死んでいた…」
揺れが収まって浴室の扉を開けると、目の前に青空が広がっていた。わが家が地面に座り込む
ようにして、ぺしゃんこにつぶれていた。自分と愛犬のいた浴室だけが奇跡的に残っていた。
夫と長男は出かけていて無事だった。
「私だけがいつも通り家にいたら死んでいたかもしれない。ジュリー、ありがとう…」
ジュリーは16年前、子犬のとき三宅さん方へやってきた。人気歌手の名をもらい、穏やかで
人なつこい性格が愛されて、すぐに一家の一員となった。ジュリーをかわいがっていた三宅さん
の義父が2年前に急逝した際、ストレスで耳やしっぽの毛が抜け落ちた。その影響で体力が
低下して白内障を患い、現在では視力がなく、耳も聞こえないという。
避難所生活も3日目に入った。高台にある平屋の公民館は2部屋に分かれ計160畳分の広さ。
お年寄りの多くは畳の上に横になって毛布にくるまり、テレビを見たり、じっと目を閉じている。
三宅さんは26日午後から体調を崩し、館内にある臨時医務室で診察を受けた。長引く避難生活は
住民たちの心も体もむしばみ始めている。一方でピーク時に約500人がひしめき合った
この避難所も、自宅へ戻ったり、息子夫婦宅に避難するなどして186人にまで減った。
ジュリーはといえば、避難所で三宅さんのそばに横たわり、午前中はいつものように眠って
過ごす。起きていても鳴き声ひとつ上げないため、周りの人が気づかないほどだ。
トイレもきちんと外へ行ってする。
「家族が交代で散歩にも連れて行きますが、大勢の人に囲まれた慣れない環境でストレスが
たまっているようです。私にとっては命の『恩人』で家族の一員ですが、避難所には犬嫌いの人も
いるでしょうし、早く仮設住宅か代わりの家へ移りたい」
27日朝は、他の被災者と同じ炊き出しのみそ汁のジャガイモを食べた後、三宅さんの腕にあごを
乗せ、穏やかな表情で目を細めていた。一家は生活再建のめども立っていないが、これからも
ジュリーとともに生きていくつもりだ。
産経新聞
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/45045/ ※元記事の細かい住所と個人名の行を削除しました。ご了承下さい。
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