日本三大水城の一つ、高松城跡がある高松市の玉藻公園北西のお堀で、餌付け
された数十匹のマダイが居着いている。近くの海水池で放流した稚魚が大きく
なりすぎてお堀に移されたものが中心だが、中には城の水門を通って高松港から
海水とともに迷い込んだ稚魚が成長し水門の格子から出られなくなったものも
交じる。今月5日から、餌やり体験を始めたところ「珍しい」と観光客に人気で、
同公園管理事務所は「新しい観光名所に」と意気込んでいる。
同事務所などの話では、多くのマダイの古里はJR高松駅前にある海水池だ。01年
から稚魚の放流を始めたが、一番深いところで水深70cmという場所では狭すぎ、
30cmほどの大きさになるとお堀に移した。05年には47匹、06年には41匹を運んだと
いう。また、中には海から迷い込んだものの、成長して水門の格子のすき間(約5cm)
から外へ出られなくなったのも数匹含まれているという。
餌やり体験は、観光客から「園内にレストランや土産店がなく、城跡の見学以外に
することがない」と言われて悩んでいた同事務所の職員が、「『タイ験型』のお城に」
とダジャレで始めた。西門窓口でニシキゴイ用のエサ(1カップ50円)を販売。
観光客がお掘に向かって投げると、コイのようにマダイが近づいてきて口をパクパク。
水しぶきをあげて餌をとりあう。同事務所によると、何度も跳びはねるので、水面から1m以上離れていても水しぶきがかかるほど。
姉と金沢市から
来た女性(24)は「最初、コイと思って餌をやろうとしたらタイだったので驚きました」
と話した。
同公園のマダイはやや浅黒いが、魚の生態に詳しい県水産試験場の吉松定昭次長は
「タイは本来水深10mくらいにすむ。お堀は浅いので、太陽を浴びて日焼けした
のではないか」と推測する。
同事務所の岡一洋所長は「城でタイと戯れるのは風情があり、めでタイ。高松の新名所に育てタイ」と話している。
ソースは
http://mytown.asahi.com/kagawa/news.php?k_id=38000000703180003 http://mytown.asahi.com/kagawa/k_img_render.php?k_id=38000000703180003&o_id=839&type=kiji