【食/鹿児島】地元特産ポンカン使った「ポンカレー」お味は甘酸っぱくすっきり／いちき串木野市

まぐろを煮込んだスープを使った「まぐろラーメン」を名物とすることに成功した
いちき串木野市。ひそかに対抗心を燃やす男たちがいる。手がけるのは、地元特産の
ポンカンを溶け込ませた「いちきポンカレー」。飲食店４店が販売し、食べ歩きイベントなどで
ブームに火を付けようと狙っている。

ほかほかのご飯の上に、ポンカンを皮ごと使ったピューレを混ぜたルー。
見た目や色は普通のカレーだが、口に運ぶと甘酸っぱい風味が広がった。
後味もカレー独特のしつこさが和らぎ、すっきりした感じだ。

昨年夏、「御食事処ぎおん」店主の河原勇司さん（３８）ら料理店５軒の経営者たちが
市来飲食店組合連合会を結成し、秋の祭りに出品する料理の開発に乗り出した。

当初は特産のちりめんを使った丼を考えたが、「普通すぎる。インパクトが弱い」。
意外な食材の組み合わせで注目されたまぐろラーメンを参考に、地元で６０年以上にわたり
生産され、高い糖度が自慢のポンカンに白羽の矢を立てた。店主らは「ポンカンとカレーなら
意外性があり、相性も良いのでは」と調理場に集まり、研究を重ねた。

使用するピューレは地元産ポンカンを使って市内の菓子業者が作ったもの。
問題はピューレを混ぜる割合だ。少ないと特徴が出ず、多いと酸味と苦みが強くなり過ぎる。
店主たちが試食中に頭を抱えてスプーンを投げ出すこともあった。数週間の試行錯誤の末、
絶妙の配合割合を発見。苦みを抜くために独自の調味料も加える。
調味料の中身は「秘密」だという。

昨年１０月の祭りで初披露すると、約３０人が行列。２日間で計１０５０食が売れた。
同じ会場に出店したまぐろラーメンに見劣りしない人気ぶりだった。

手応えを感じた店主らは、ちりめん入りコロッケや豚バラ肉といった具材を添えたり、
カレーうどんにアレンジしたりするなどして４店で販売を始めた。４００円台から６００円台が
中心。残りの１店も２月上旬に売り出す予定だ。

今月２５日から約１か月間、５軒を巡るとプレゼントがもらえる「ポンカレー食べ歩き」を
実施する。２７日に市内の特産品直売所で開かれるポンカン祭りでも１杯６５０円のカレーを
５００円でふるまう。

河原さんは「『うまいものが多い街』として知られるよう、まぐろラーメンに並んで
このカレーを有名にしたいですね」。

(以下略)

YOMIURI ONLINE（読売新聞）　07/01/25
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news001.htm

画像：
ほのかに甘酸っぱい風味が広がるポンカレー（いちき串木野市の「御食事処ぎおん」で）
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/img/news001_1.jpg

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