通常は2月ごろに開花するヘレボレス・ハイブリダス(通称・クリスマスローズ)を、
年末のクリスマスのころに花が咲くように改良した新品種の開発に、
福岡県農業総合試験場果樹苗木分場(同県久留米市)が成功した。
同試験場は、同県朝倉地域農業改良普及センターや農家と協力して研究を進めており、
「12月に出荷できれば贈答用として珍重され、栽培農家の所得増加につながる」
と期待している。
クリスマスローズはキンポウゲ科の植物で、英国では一般的にクリスマスに花が咲く
「ヘレボレス・ニゲル」を指す。日本では「ニゲル」「ハイブリダス」ともにクリスマスローズと
呼ばれる。
しかし、「ニゲル」の花は大半が白一色で、梅雨や暑さに弱いため、特に温暖な九州では
栽培が難しいとされる。一方、「ハイブリダス」は零度近い低温が約2カ月間続かないと
開花せず、冷蔵庫などで人工的に花を咲かせた高価な商品を除くと、12月に出荷される
ものは少なかった。
同試験場は冬場に花を咲かせ、色も赤やピンクなど豊富なハイブリダスに着目して昨年から、
新品種開発に着手。早咲きのハイブリダス同士の交配を繰り返すなどして、12月に花を
咲かせる割合を50%程度にまで高めた。
今後研究をさらに進め、クリスマスの時期に開花する割合を6、7割にまで上げる方針だ。
同試験場の坂井康弘研究員は「ハイブリダスは冬場の低温や夏場の高温にも強く、栽培も
比較的容易。花が咲く時期も長いので、贈答や観賞用のほか、道路沿いの植栽用としても
需要があるだろう」と話している。
西日本新聞 07/01/23
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/20070123/20070123_005.shtml 画像:福岡県農業総合試験場が開発した早咲きのクリスマス・ローズ(同試験場提供)
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